「石森萬画館」第八十九回訪問記

平成二十六年八月二十四日(日)

 九時二十分頃にマシンで出発、晴れ。路傍の電光掲示板は気温二十八度を示す。
 マシンでも石巻市に行くようになってから十年以上経過しているのに、何故かこの日は登米町内で何度も道を間違える。一体どうした。
 丁度二時間で中瀬着。館向かいの駐輪場に置く。
 すぐ入館。
 十一時四十分から映像シアターで田口萌主宰「劇団球」特別公演「Re Birthリバース」。一回につき定員五十人、ほぼ満席。前日とこの日の二日間、一日に三回ずつ六回上演。舞台装置は一切無く、萬画館アテンダントの口上の後、出演者五人が飛び込んで来て始まる。田口と若手の男女二人ずつ。衣装も全員、劇団のトレーナーを着た「ジャージ公演」。滅亡に瀕した人類の希望と再生の物語。
 芝居自体は五分ほど。続いて十五分ほど、出演者自己紹介や劇団の活動内容紹介、観客との交流等。田口は劇団員達にだいぶ「BLACK」ネタを仕込んでいるようで、全員がBLACKの変身ポーズをできる。希望する観客を呼び寄せて変身ポーズをさせてみたりもする。よほど筆者も挙手しようかと思ったがゴルゴム関係者の物まねなどしたら一発で面が割れるのでやめる。
 十二時頃、駅前広場に向かって徒歩で向かう。炎天下、市街の駐車場や空き地からは音楽演奏が聞えて来る。トリコローレ音楽祭。
 市役所の向かいの駅前広場でも演奏中。ここで休憩中のSEI氏と合流。筆者も食品を屋台から買って着席し、暫し歓談。しかし演奏が大音量で会話もしづらい。
 小一時間も過ごしてから筆者単独でまた中瀬に向かう。
 八幡家に立ち寄る。先程喰っているのでこの日はミニうな重と茶わん蒸し。紀代子女将。
 十四時頃、また中瀬に入る。
 第54回特別企画展「サイボーグ009ワールド展〜50年の軌跡〜」七月十七日(木)から九月二十八日(日)まで。作品誕生から今日までの通史。
 九人と博士、一人ずつを大きなパネルを使って解説。萬画もアニメーションも、時代順に紹介する。例のアメコミ版は無かったように思う。萬画については、各シリーズの連載打ち切りの理由について詳説している。章太郎の遺稿だかメモだかによる「最終回」の萬画もある。
 常設の原画展示も全て「009」。
 館内徘徊。ただ、BZには意地でも入らない。去年七月以来、もう一年以上入っていない。
 三階ライブラリーで「お嬢様」に会えれば差し当たり文句無し。
 十四時四十分からの「Re Birth」を見てから辞去。田口一行とは直接は接触していない。
 登米市に向かう。

 昨年の田口との対面以来「次は芝居見物」と思っていたので、今回実現できてよかった。ただ略式の公演だったので、いつか本式のも見たい。今度は筆者が東京都に田口公演を見に行くべきだ。
 既にいろいろな視点で特集されている「009」。これからも違う視点で見せて欲しい。そう簡単に「009」を極め尽くす事は出来まい。

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