「石森萬画館」第八十八回訪問記

平成二十六年六月一日(日)

 特別企画展の関連企画で福山芳樹・熱気バサラライブ開催。
 十二時七分水沢発、三十一分一ノ関着、四十四分一ノ関発、十三時三十一分小牛田着、三十五分小牛田発、十四時十一分石巻着。小牛田での乗り換えが慌ただしいがほぼ二時間で着けば上々。乗り換え待ち時間は短い方が良い。
 しかしライブ開演は十七時である。時間がある。
 まず「まんがる堂」を訪ねる。二階で「昭和と平成のいしのまきアイトピア編」を開催中。筆者の知らない、栄えていた頃のアイトピア。今も営業中の店もいくつか写っている。パネルの誤記を一点指摘。
 それから南下してニューゼ。ここでも写真パネルの誤記を指摘した後、武内館長と一時間くらい話し込む。自分の姿がテレビに映っているのを見るのは嫌だと言う館長。話題は多岐に及び、筆者は布施辰治についても存分に語る。
 復興マルシェのぎょうざ道場で飯とわかめ餃子を喰う。復興センターで鰯の煮物三種を買う。
 十六時を過ぎてから中瀬に入る。ライブ会場の広場前には既に行列ができている。
 館内はこの日もその筋の愛好家で混雑。墨汁一滴のレジに立つなじみの従業員の顔が紅潮して蟹シュウマイに見える。壁面に「キカイダーREBOOT」のポスター二種が飾られているが、映画にちなむキカイダー新商品は特に見当たらない。
 館内で暇潰し。今回のマクロス展を見るのも四回目。展示末尾の辺りのガラスケースの中に「7」商品が加わっている。
 作田嶋神社参拝。周囲の草が伸びて近付きにくくなっている。  十七時が近付く頃にライブ会場に向かう。当然客席は満席で筆者は多くの人々と共に立ち見。また、館正面の芝生の上にも観客が大勢いる。
 十七時のからくり時計の作動中に突然大きな拍手と歓声。福山芳樹登場。そして開演。この日、館内でトークショーに出演した河森正治と天神英貴も立ち見で鑑賞。
 約一時間のライブ。題名を正確に知らない曲もあるので列挙はしない。「7」から六曲、「ダイナマイト7」から一曲、合わせて七曲。曲の合間に遠藤正明の話題も出る。観客一同大いに盛り上がる、まさに熱狂と興奮の坩堝と言うにふさわしいが、親に連れられて来た幼児は苦悶の表情を浮かべて耳を塞ぐ。
 ライブ終了後、福山、河森、天神は観客達にもみくちゃにされながら退場して行く。筆者は河森に「ザ☆ウルトラマン見てました」と言って握手を求めると河森は「おおっすごい」と笑顔で応じる。
 もう中瀬に用は無い、すぐ駅に走る。十八時二十五分発、小牛田着は十九時八分。ここで一度駅を出て、駅前の飲食店・伊勢屋に入る。実はこの前日、国府多賀城からの帰りに初めて立ち寄っており、この日は二回目。揚げ出し豆腐。
 十九時五十四分の下りに乗り、一ノ関は二十時四十一分着。乗り換えて四十七分発、二十一時十一分水沢着。
 尚、この先日と当日の晩には「F」劇場版二部作の野外上映会があったが筆者は諸般の事情で不参加。

 最早筆者程の大常連になると萬画館は「中瀬での暇潰しの場所」でしかない。
 筆者は「7」を気に入らず初代に回帰した事は前述した。「7」の人気がどれほどなのか今まで知らなかったが、無料と言う点を割り引いてもあの大盛況から察するに、二十年を経た今でも人気作品なのだろう。
 それにしても野外上映会、大物ゲスト来場、独自商品開発等、今回のマクロス展は萬画館史上屈指の大当たりであるばかりでなく、マクロス史上でも特筆事項になったのではあるまいか。
 石巻市中心部で布施辰治に触れられる唯一の施設はニューゼだと思う。少なくとも、萬画館には布施辰治展示は無い。結局、石巻市民も必ずしも本腰て布施を顕彰しておらず、熱心なのは赤、左、韓国人だけではないのか。そしてその顕彰関係者もスターリンとの関係は隠蔽している。常々強調している点、「人権派弁護士」が「社会主義体制による人権弾圧の世界的権威」から勲章を受けて、また賛美していたと言う歴史の皮肉。
 職場の健康診断で魚を喰うように言われるが、元々魚嫌いで、うっかり生魚を入手してもうまく料理できないしすぐ傷んでしまう。その点、復興マルシェで買うレトルトの魚料理は湯煎ですぐ晩のおかずになるので簡単でよい。往々にして魚嫌いとは骨を嫌うものだが、いつもの鯖の味噌煮も今回の鰯の煮物三種も骨を抜いてある。数週間に一度喰うくらいで即、健康増進にはなるまいが、今後も復興マルシェで煮魚商品を買い求めよう。
 ところで先日、鉄道での秋田からの帰りに、横手駅でやはり待ち時間が三、四十分ほどあったので駅蕎麦そばでも喰おうかと思ったら食堂が無い。筆者が石巻市に通い始めた頃は小牛田駅ホームに蕎麦屋があったがやはりいつの間にか無くなっている。横手駅も小牛田駅も複数の路線が乗り入れる要衝だと思うが駅内では蕎麦が喰えない。その一方で我が水沢駅は東北本線一本のみだが食堂はある。駅併設の食堂の設置基準と言う物があるのかどうかは知らない。

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