「石森萬画館」第八十回訪問記

平成二十五年七月二十七日(土)

 萬画館の建物をスクリーンにして対岸の復興マルシェから鑑賞する野外上映会、今年も開催。
 東北地方では前日からの大雨がやみそうになく、当日も降り続けている。雨の場合は野外ではなく屋内に会場を移しての開催、しかし屋内上映では別にわざわざ見に行く必要はない。十六時頃に筆者の自宅辺りはやむ。萬画館に電話照会すれば予定どおり開催だと言う。十六時半頃マシンで出発。
 すぐまた雨が降り出すので雨具を着る。
 大雨による崖崩れで前沢町内で国道四号線通行止め。マシンを押して歩道を歩くのも不可だと言うので、一瞬石巻行を断念しようかとも考えるがすぐ思い直し、少し引き返して迂回、牛の博物館の前の道路を通る。やはり同様の自動車が列をなし、四号線に戻れば大渋滞。平泉町と一関市で時間を要し、左折して三百四十二号線に入ってやっとまともに走れる。
 復興マルシェ到着は十九時過ぎ。道に迷ったわけでもないのに渋滞のせいで実に二時間半を要す。雨はやんでいる。
 会場の広場には既に多数の観客。筆者は最後方、フードコートを背にして腰を下ろす。二十分より上映、昨年の「フォーゼ×ウィザード」。改めて鑑賞すれば、あのオチに至る伏線はいろいろある。
 観客の殆どは幼児を含む親子連れである。前の方の客席の観客は割りと行儀よく鑑賞しているように見えるが、後ろの方はひっきりなしに人が出入りする。途中、少し雨がぱらつくとこれ幸いとばかりに「さあ帰ろう」と子供を引っ張って席を立つ母親多し。二十一時少し前、閉幕の頃には観客の半分くらいしか残っていなかったように思う。
 全日食きむらでパンを買って敷地内で喰う。それだけでは足りず、マシンを出して近辺で適当な飲食店を探し回るが結局、ラストオーダーぎりぎりの二十一時半前、「茅」に入ってハンバーグ等。
 食事中に大雨再開。二十二時頃、雷雨の中、帰途に就く。時々空が白く光るが、自身のマシンの轟音で雷鳴は分からない。石巻バイパスで一番最初に出て来たガソリンスタンドで給油。往路で通れなかった前沢町内の崖崩れ現場は復路では片側交互通行で既に工事が始まっている。水沢市に入ってからコンビニ一軒に立ち寄る。帰着は零時過ぎ。雨水と汗が下着まで浸み込んでいる。

 この野外上映会は建物の壁面への上映と言う趣向を楽しむものだと思う。そして子供映画の無料上映であればその観客に静粛を求めるのは無理かも知れない。しかしあくまでも映画なのだから、少なくとも、上映中の席の移動、歩き回りはやめて欲しい。無料上映だから行儀が悪くても良いとはなるまい。
 往路では早目に四号線から一関市街地に抜ければもっと早く着いただろうか。マシンで宮城県に行くようになって十年以上だがまだ道の研究が不足している。尤も、重度の方向音痴としては「急がば回れ」が信念でもある。

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