石巻「墨汁一滴」第八回訪問記

平成十三年五月二十六日(土)

 今回は十一時六分水沢発、十三時五十三分石巻着。単独。現地晴れ。
 三年前に開店した石巻「墨汁一滴」はこの二十八日で一旦閉店。七月二十三日に開館の石森萬画館の中の店として再出発する。今回は言わば「初代」の店の最後の訪問。
 駅前のマンガロード案内板、「調整中」の紙が貼られてビニールで覆われている。
 店を目指して寄り道せずに歩く。立町通りの西端のアーケード入り口に萬画館の案内の表示。
 先日アンテナが取られていたロボコン、修復済み。但し、前は金属色だったアンテナは今回は黄色に塗られている。
 その近くのマンガロード案内板はビニールが剥がされて下に落ちている、誰かが勝手に剥がしたのだろうか。
 ペアーレ石巻前の仮面ライダー像の触角は折られたまま。ロボコンの金属製アンテナは樹脂の本体とは別部品だが、仮面ライダーのアンテナは本体と一体である為に修理がしづらいものと思われる。
 アイトピア通りと橋通りの十字路の北西の角、石巻社会福祉協議会の前にマンガパネル。漫画家達のサイン入りの絵を飾ってある。
 橋通りのエッちゃん像、修復済み。awano氏が店の外まで出て筆者を出迎える。
 店内には亀山女史と、東京から来店の@nifty会員女史。やがて黒澤女史も来店。
 awano氏から「アギト」サイン色紙を見せられる。三人ライダーのカラー写真色紙にサイン。
 コーヒーを飲みつつ、@nifty会員女史と歓談。@niftyアニメフォーラムの009会議室には筆者も出入りしていたことがある。
 「009」新作テレビアニメは今年放映開始のはずだが詳報が全く伝わってこない、本当に今年から放映されるのだろうか。ふるさと記念館で上映された「ビジュアル・コンセプト」は愛好家の間では賛否両論だそうだ。
 店内のテレビでカラーの「009」LD上映中。またも「いつの日か」を歌ってしまう筆者。
 インターネット上に飛び交う噂や怪情報の事。互いに今まで接した事例を挙げて、各種情報の取り扱いには気をつけなければいけないことを論じる。インターネットは情報の伝播が速い、誤報でもあっと言う間に広まってしまう。いい加減な情報を流してはいけないのは当然だが、同時に、入手した情報の精度についての鑑識眼も持たねばならぬ。少し考えればすぐデマだと判りそうな事や、全く何の根拠も無い希望や予想を事実、決定事項として理解(誤解、曲解)してしまう人はいるものである。怪しげな裏情報なんて自慢にならないし、外れたら自分が恥をかくだけ。「早耳の早損」という言葉もある。
 また、「事は密を以て成り、語は泄を以て敗る」(韓非子・説難第十)という。関係者、業界人と親しく会話をする機会があっても、あまり根掘り葉掘り聞き出そうとするのは却って迷惑になると思う。どんな商売にも守秘義務というものはある。最新情報を早く知りたいという気持ちは筆者も理解するが、我々素人、単なる愛好家は公式発表を待っていればそれでいいではないか。
 十四時半頃、石巻在住の友人・a1到着。a1とawano氏は二年振りの対面、改めて筆者が両者を互いに紹介する。
 新商品「石森萬画缶」が発表されている。次は「星の子チョ瓶」だろう。相変わらずわけのわからぬ駄洒落ばかり飛ばしている筆者。
 十五時前か、@nifty会員女史は退出。
 筆者とa1で中瀬に向かう。中瀬の北東端が舗装されているのには先月の訪問時は気付かず。また南端まで歩く、今回は海鳥の群れは不在。それにしても狭い道、小さな島である。
 再び店へ。筆者、a1とも申し訳程度の買い物。
 粟野蒲鉾店で買い物するつもりだったがこの日は蒲鉾も揚げ物類も完売だという、商売繁盛は結構だが買えなかったのは残念。
 石巻「墨汁一滴」ウェブページは五月一杯で終了の予定。awano氏に今後の「マンガランド構想」関連ウェブページ運営、情報発信について強く要望しておく。昨夏のふるさと記念館開館の際は現地・中田町からのインターネットでの情報発信は全く間に合わず、筆者は中田町役場の怠慢について容赦なく筆鋒を向けた。あの時は中田町の情報を石巻「墨汁一滴」がマメに発信していたが、石森萬画館開館の段になってその石巻市からの情報発信が無かったら洒落にならぬ、そうなれば筆者も「構想」関連諸団体を非難せざるを得ない。「構想」を楽しみにしているからこそ、筆者はイヤミも言うのである。後日、石巻「墨汁一滴」掲示板でawano氏が今後のインターネット上での情報発信の予定について説明していた、そのとおりに進むことを祈ろう。
 十六時五分前頃に我々は退出。a1の自動車に乗り込んで仙台市に向かう。
 今回はあまり歩き回らず、割りと短時間の滞在だった。結局、「初代墨汁一滴」に筆者の軍団三人が揃ったのは一回だけ、皆社会人で忙しいし、急用発生で訪問予定が流れた事もあった。
 「初代墨汁一滴」はあくまでも一旦閉店である。初めから予定されていたことなのだから、寧ろ予定どおりに閉店することを喜ぶべきだろう。別に今のスタッフ諸氏に会えなくなるわけでもないのだ。
 三年前から八回の石巻市訪問。十年と十一年は一回ずつ、十二年は三回、十三年は既に三回。段々訪問の頻度が増している。スタッフ諸氏との付き合いは十一年に店のウェブページが開設されてその掲示板に筆者も頻繁に書き込み、そして軍団三人で店を訪れた辺りから。「オイスタンプラリー」の時には本当にまだ「墨汁一滴」しか無く、マンガランドらしいのは橋通りだけだったが、その後充実の度を増して来て、そして土地の人々との交流は深まった。過去の訪問記を読み返してみて、つくづく人の出会いの素晴らしさを感じている。
 ロボコンとエッちゃんの両モニュメントの損傷事件は石巻市の恥さらしでしかない、この二つが治っていたのは嬉しかった。萬画館開館までに仮面ライダーも治して欲しいものだ。
 さあ、萬画館開館まであと二ケ月足らず。早く田代島にも行かないと。

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