「石森章太郎ふるさと記念館」第八回訪問記

平成十三年七月二十一日(土)

(七月二十日から二十二日に掛けてふるさと記念館では「オープン1周年記念祭」を開催。また、二十三日には石巻市の石森萬画館開館。筆者は二十一日と二十二日はふるさと記念館に通い、二十三日は萬画館開館に駆けつけることにする。二十日は盛岡市で映画「ウルトラマンコスモス」鑑賞。)

 水沢発九時十二分の列車。
 石越駅前から乗るバス(四月訪問の際と同じ運転手、そしてこの日の帰りも同じ)の中から今般設置のロボコンモニュメントを見つける。記念館の手前左手、県道沿いのコスモ石油の隣にある。このロボコンの所から北に進むと石森の母校・石森小学校がある。小学校の手前に「0点」モニュメント、縁起でもない。
 記念館前で降りる、小野寺電気前に003モニュメント。店のスピーカーからは大音量で「仮面ライダー」歌曲が流れている。
 記念館の道路を挟んだ向かいには仮面ライダーモニュメント。その背後の地区掲示板に宮城県選管のポスター「選挙だヨ!! 全員投票」。加藤茶起用で「忘れちゃいやヨ!!」「行ってみようー!!」「夜8時までだヨ!!」大のドリフ愛好家の筆者には大受け、このポスター欲しい。
 記念館門前に石森章太郎記念碑。カラーの仮面ライダー画がはめ込まれている。また、前からある白服009モニュメントが門前に移されている。
 まず茶屋へ。店員の沼倉女史に挨拶。暑い日、コーラ一杯。
 女史との会話で石森郵便局前にもモニュメントが設置されたことを思い出して一度記念館敷地を出て局前へ向かう。ポストの上にエッちゃんモニュメント。これで今般中田町に設置されたモニュメントは全て確認。石巻市に設置されたものと作りは同じ。
 再び記念館敷地に入る。庭で小野寺幸朗氏と館長に挨拶。館長に伺ったところではやはり来館者の年齢層は幅広いという。この日はショーがあるから子供連れが多いがその他にも高齢者も少なくない。二十歳前後と思われる女性二人組を見る。
 駐車場へ向かう、十一時から仮面ライダーアギトショー。
 炎天下である。去年のクウガショーの時同様、司会のお姉さんは観客に帽子の着用を呼びかける。筆者は帽子好き、外出時はいつもかぶっている。
 出演は司会の他、アギト、G3、ギルス、コルウス・クロッキオ、戦闘員二人。アギトはアンノウンのことをロード怪人と呼ぶ、何だかメンソレータムの会社のようだ。アギトとG3は互いに正体は明かさぬまでも名乗りあって遂に共闘するもののギルスの立場は不明確のまま。また、アンノウンからテレビ番組の謎の解明、今後の展開に関わるような台詞が吐かれる。ショーであすこまでしゃべってよかったのか?
 使用音楽が「アギト」のみならず「クウガ」「真」「ブルースワット」を流用、筆者一人大爆笑。まさかこちらも金成謙二が選曲したのではあるまいな?
 勿論、主題歌の段になっても観客の歌声は聞えない。
 ショーの後の握手会にはアギトとG3のみ登場。まだギルスをアギト達と同列の正義のヒーローとして扱わないという方針が握手会にも徹底されていてよい。
 館内へ。エントランスには六月一日よりアギトのマスクが鎮座している。
 企画は「ちばてつやとすてきな仲間たちPART2」、六月二十二日から八月二十六日まで。今回は専ら原画展示で説明文の類はあまり無い。漫画の他、企業ポスターやカレンダー、練馬区民祭や地区報表紙の原画もある。漫画家色紙やちば作品キャラクターモニュメントは入れ替え無しだったように思う。
 常設に入って左手、普段は小野寺章太郎命名書や「二級天使」原画等を展示している場所で今回は「サイボーグ009 その世界…展」、七月二十日から十月二十一日まで。「009」の原画展示、最初期の緑の制服から後期まで。東北版官製絵入り葉書の図案になった原画が筆者の目を引く。そして展示の末尾に昨夏公開のビジュアル・コンセプトのスチール数枚と「2001.10」の文字! 今年から放映開始のはずなのにいつまで経っても発表の無い新作「009」、遂に決定。ただ、曜日や局などの詳細は後日とのこと。
 十三時半からのショーまではまだ時間がある。常設の奥のライブラリーで原作萬画「仮面ライダーBlack」を読む、小学館文庫全三巻。連載開始から十四年、今回初めて読む。或いは意外に思われる向きもあるかも知れぬが、実は筆者は漫画本は友人から借りて読むか歯医者等の待合室で読む程度で、自分で買って読むという経験は今まで無い。数千冊を誇る蔵書にも漫画単行本はこの時点では一冊も無い。そしてまた、石森作品の本を読むこと自体、初めてである。過去に読んだことのある石森作品は讀賣水曜版(だったと思う)の「エスパーエッちゃん」のみ。尚、後日、二十七日に市内の古本屋で同じ本を見つけて買う、二十七歳にして初めての漫画本購入。
 十三時半からやはり駐車場で「仮面ライダーV3によるゲーム大会」(パンフレットによる呼称)。出演はV3と司会のお姉さん。会場の子供相手のクイズ大会や変身ポーズ伝授、V3による風船細工実演。
 クイズは五問、三択。三問はV3関連、クウガとアギト関連が一問ずつ。V3関連の問題と選択肢は下記のとおり。

一、V3に変身する人の名前は?(五代雄介、風見志郎、南光太郎)
二、V3の必殺技は?(ライダーチョップ、エレクトロファイヤー、V3キック)
三、V3のバイクは?(ハリケーン、ヘルダイバー、Zブリンガー)

 「南光太郎が変身して必殺技がエレクトロファイヤーでZブリンガーに乗るV3」を見てみたいような気もする。
 司会者が会場の子供を舞台に上げて答えさせるという方式。第二問の後で「エレクトロファイヤーは誰の技?」と司会者が問うと会場の子供達から「ストロンガー!」と声があがってこれには少し驚く、今の子供がよく知っているものだと。しかし第三問の後の「ヘルダイバーは誰のバイク?」には場内静まり返り、そこで筆者一人挙手して回答、正解。ヤだね、愛好家丸出しである。司会者曰く「解る方はいるんですね」。
 暑い暑い、茶屋で水分補給、アイスコーヒー一杯。先程のクイズ会場にいた小四、小三、小一の少年達が店内で遊んでいる、彼等は筆者を「この人詳しいんだよ」と言い、彼等と会話をしているうちに筆者は「博士」にされてしまう。子供相手に少しばかりの知識で「博士」、世話ないや。筆者は「私が子供の頃は『ウルトラマン』や『仮面ライダー』よりも『ガンダム』の方が人気があった」と語る、ここで言う「ウルトラマン」は第三期、「仮面ライダー」は第二期。筆者の世代は「ガンダム」世代、ロボットプラモデル世代であり、逆に特撮番組や怪獣映画には疎い。「メカゴジラの逆襲」から「沢口靖子ゴジラ」までの空白が丁度幼少期にぶつかっている。
 この日の買い物はサブレ、れんこんうどん、そして「さるとび梅ッ!!ちゃん」(梅干し)。
 十四時半が近づくと、少年達はアギトショー二回目見物の為に店を出て行く。筆者も程なく辞去、四十分頃のバスに石森仲町から乗って十五時十二分の下り列車で帰る。
 今回は展示よりもショーや茶屋での出会いが印象に残った。
 ちば展は原画の羅列のように感じられたのが残念、もう少し今後の意気込みなどを示す文章等が欲しかった。009展は時代によってさまざまな表情を見せるサイボーグ戦士達が興味深かった。
 新商品のうどんと梅干し、大変おいしい。うどんはつけ麺で食してみて実にうまかった。梅干しは朝食や弁当に最適と思う。

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