「石森萬画館」第六十一回訪問記

平成二十二年一月二十三日(土)

 新年最初の宮城行。九時十一分の水沢発、十一時四十六分の石巻着。定例の道程である。
 晴れてはいる、気温も低くないが風が強い。寒いのには耐えられるが首筋に風が当たるのは苦手。
 八幡家。喜代子女将在店。今回もかば焼き定食と茶わん蒸し。飯を二回お代わりして腹に詰め込む。
 乳児を抱いた若い母親が入店して来る。娘の初節句の祝宴にこの店を使いたいとの事で、喜代子女将自ら店の説明をする。そのトップセールスを見学する。
 いつもより食事に時間をかけて、十三時半頃に店を出る。中瀬に入り、作田島神社参拝。
 何故か館の正面から入るのをいつも避けている。西側から入館し、一階受付に年間パスポートを示して更新手続き。有効期限は半年も先だが、昨年末のうちに継続用の振替用紙が来ているので送金済み。
 BZが混雑していてなかなか入店できぬ。
 第43回特別企画展「ユーモアセラピスト・南久美子のほっこり はんなり なごみ展 From 京都」この日から三月十四日(日)まで 。石巻市では三度目の南展。
 漢字を様々な事象に見立てての一コマ作品。前回との重複が多少気になるが、新作もまた多い。しかし展示の初めの方の十二支シリーズの説明パネルでずっこける。十二支の漢字を動物に見立てた作品自体は素晴らしいが、各作品に添えられた、その十二支の年の出来事の年表が実にでたらめだらけ。違う年の出来事を書いていたり、固有名詞の表記が滅茶苦茶だったり。ざっと見ただけで一ダース以上の間違いが見つかり、これで興を殺がれてしまう。本当なら担当者を叱り付けるところだが馬鹿馬鹿しくて最早そんな気にもならぬ。作品自体は最高なのに。
 平安神宮での南展の様子がテレビセットで上映されている。映像の中で南は平安神宮のお抱え絵師と名乗る。
 常設では「第19期テーマ『和』」と題して「モ一度やろう」3、「佐武と市」の「氷の朔日」、「宮本武蔵」の「其之一 宿命の序章」、「さんだらぼっち」の「第1話 始末人とんぼ」が展示されている。
 そして常設の末尾、出口近くにシージェッター海斗コーナー出現。イメージビデオが上映され、詳細な説明パネルが掲示される。最早完全に無かった事にされているアカシオン大佐。敵か味方か、謎の人物の登場が予告される。海斗の正体・鳴海光真の両親の設定が登場、その母親の名が「響子」で大喜び。  この日は三階でワークショップ開催でそちらに館の人手が回っている。
 やっとBZ入店。この日もいつものコーヒーと年間パスポート行使のジュース一杯のみ、五百円玉で釣り銭が来る買い物しかしない。
 十六時四十五分頃に辞去。駅のNEWDAYSで粟野商品を買う。十七時十二分の小牛田行に乗り水沢帰着は十九時五十二分着。

 固より萬画館の特別企画展で世界史の勉強をしようと言う人や、萬画館のせいで試験で間違えたと苦情を申し立てる人はおるまい。しかしだからと言ってでたらめの歴史知識を萬画館で展示して良いと言う事にはならない。大体、どうしたらあのようにでたらめだらけのパネルを作る事が出来るのか、それこそが不思議である。そんなに高度な内容ではない、中高生程度の話。もし筆者が萬画館の近所在住なら、日本史と世界史の年表を萬画館に持参して、問題のパネルの間違いをいちいち数え上げて担当者に突き付けるだろう。あんなパネルなら無い方がまだマシ。本当に学芸員配置施設なのかね、萬画館。
 事情通の間ではもう諦めの声も聞かれるシージェッター海斗の展開だが今年は大きな動きを予感させる。果たして期待して良いのかどうか。

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