「石森萬画館」第六十回訪問記

平成二十一年十一月十四日(土)

 午後から仙台市内で用事があるのでいつもよりも早目に出発する。六時三十三分水沢発、九時二十一分石巻着。
 雨。NEWDAYSで傘を買い、いつもの道を歩く。
 「仮面ライダーW」に出て来る風都ラーメンの巨大鳴戸巻きを提供しているのは「石巻 白謙」即ち白謙蒲鉾店。店の前を通る際に外から店内を窺うが特に「W」のポスター等は見当たらない。白謙は「ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」にも参加している。芸能に協力するのが好きな会社のようだが、「仮面ライダー」への協力であれば我らの粟野の出番ではないのか。今度若旦那に会ったら問い質さねばならない。
 暖簾の出ていない八幡家前を通過し、中瀬に入る。作田嶋神社参拝。
 入館して企画に直行。
 第42回特別企画展「2009 exhibition of サイボーグ009 THE CONTRAST」十月三日(土)から一月十七日(日)まで。例の009イヤーの一環。「009」については何度企画展を開いても開き過ぎと言う事はない。
 名場面の原画と解説主体の展示。元ネタに力があるから余計な装飾は不要、即ち解説は控え目である。NHK・BS2「とことん!」で紹介された物と思われるノートも展示されている、当然ガラスケースの中だ。
 料金を払えば誰でも平等に客である。しかし、いかにも漫画等に縁も興味も無さそうな中高年女性達が展示室に騒がしく入って来て、「アラー」「マー」とテレビの通販番組のスタジオ観客のような感嘆の声をあげていくのはどうなのだろうとは思う。巨大な世話は承知だが、彼女達は一体何が目的で来て、そして理解或いは堪能できているのだろうか。しかし萬画館としては本当に好きで詳しい玄人客一人よりも、展示に対して全く知識も興味も無い素人百人の方が嬉しいだろう。
 常設も入れ替え。
 BZでいつものコーヒー一杯と、珍しく鯨のづけ丼。営業時間の都合で八幡家には行けぬ、BZの逆襲。
 ところで、映画撮影にちなんで十三日から二十日までを石巻市では「布施辰治ウィーク」と称して、十五日には萬画館の近所でも赤塚真人が来てロケがあるが、駅からマンガロードを経て萬画館内まで「ウィーク」にちなむ物が全く見当たらぬ。館内で職員達に尋ねても要領を得ない。言うまでも無く赤塚は「BLACK」「RX」出演者である。萬画館が斯かる不関与、無関心でいいのか。報道によればエキストラ募集は応募が芳しくなく、三百人予定のところ百六十人程度で撮影したようである。
 慌ただしく十一時四十分に辞去。雨の中石巻駅に走り、仙石線で仙台市に向かう。仙台駅地下にも白謙の店舗があるが、ここにも「仮面ライダー」展示は無い。

 「009」についてはこれからも様々な趣向の企画展を開いて欲しい。「009」が石森章太郎作品である事を否定する者はいない。
 本当に石巻市は「布施辰治ウィーク」だったのか、布施のフの字も無し。やはり騒いでいるのは一部の人達だけではないか。地元の偉人について地元民が本気で騒げばどうなるか、筆者は水沢三偉人でよく知っている。最近は布施の韓国からの受章ばかり喧伝して、スターリンの件は無かった事にしているようだ。

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