「石森萬画館」第五十九回訪問記

平成二十一年九月十二日(土)

 五ヶ月振り。前回は会期初日で今回は会期末近く、萬画館開館以降では最も間を空けた石巻市訪問。
 固より目当ては夕方の催しものなればいつもより遅い時刻に出発する。水沢で十一時十六分の上りに乗車して乗り換え駅はいつもどおり、十三時五十一分石巻着。曇天。
 八幡家に立ち寄って夕方の営業時刻を尋ねる。
 中瀬に入り、定例の作田嶋神社参拝。
 第9回石巻マンガ灯ろう祭り。公園での関係者の打ち合わせを見物する。「まんぼう」大森課長も壇上から拡声器で注意点を述べる。毎回不審者が目撃されていると言うが「不審者がいらっしゃったら」と敬語使ってどうする。
 多くの屋台の中から炙り蒲鉾と木村課長推薦の海鮮塩やきそばを喰う。共に美味。前者は練り物を串に刺して客の希望のソースを付けて売っている。後者は魚介類がごろごろ入っている。港町・石巻ならではの商品。
 BZでアイスコーヒー一杯を飲んですぐまた出る。
 第41回特別企画展「ハローキティのハート展」七月四日(土)から九月二十七日(日)まで。
 この日、筆者が多用したネタ「二頭身の短足猫」「キティと私、初代メカゴジラ、ウルトラマンレオ、仮面ライダーアマゾンは同年」。キティについては「随想・雑記 その十三」でも触れたが筆者自身は全く興味無い。決して展示が悪いのではないが、「プリキュア」の時同様、見ていると居心地が悪く、展示から「お前の来るべき所ではない」と言われているような気分になる。案の定客層は女性、家族連れが多く、男一人で見ているのは珍しい。キティ世界の登場人物紹介や歴史、各種商品。他のサンリオキャラクターや御当地キティもいろいろ展示されてはいる。キキララは北日本銀行のイメージキャラクター。
 常設は章太郎の少女向け作品の原画展示。こちらはじっくりと見入る。「青い月の夜」「きりとばらとほしと」「虹の世界のサトコ」「ジュン」。
 中瀬徘徊。次々に灯籠が搬入、設置されていく。降り出しそうな空模様、もし降ればまた筆者の雨男発動と言う事になるが何とか持ちこたえる。
 珍しく墨汁一滴で買い物。絵葉書を一枚、館内でしたためて中瀬内で投函する。
 元々人の顔を憶えるのは苦手で一度会っただけではまず間違いなく憶えられないし、多少面識があっても女性に髪型を変えられるともう誰だか判らなくなる。館内を歩いていてオープンワークショップ担当に声を掛けられてもすぐには誰だか判らず、認識するのに暫くかかる。
 十六時半過ぎから海斗ショー。クラブアビシスが初めて舟に乗って水上に出陣するが指揮を執るだけで、海斗と斬り結んで川面に落ちるのはミャーガノイドのみ。陸上の戦闘の脚本と音響は去年と同じ。「海、青く輝く…」が聞えて来ると「またこれか」と思う。一体何なのかアトラノート。ヤケクソで舞台に向かって「志村! 後ろ!」と叫ぶ。
 ショーの後、またBZに顔を出してメロンソーダ一杯。ここも先頃人事異動があった。いずれ人事異動が進んで、筆者を知らない職員も増えるだろう。しかし筆者を知らないうちは「まんぼう」職員として半人前だ。
 十八時半頃に萬画館を辞去。
 八幡家でかば焼き定食と茶わん蒸し。以前はもう一品腹に入ったが最近は入らない。ディケイドと戦ったのは大ショッカー、食の細いのは小ショッカー、筆者がこれから喰うのは夕ショッカー。例によって店員女史と米食文化について語り合う。よく、おいしいおかずについて「御飯何杯も食べられる」とは言うがバターやジャムで「パン何枚も食べられる」「パンが進む」とはあまり言わない。筆者小学生の頃は週五日のうち一日か二日が米飯給食だったが、級友達と「米余りと言うなら毎日米飯給食にすればいいのに」と話し合っていた。
 石巻駅内のNEWDAYSで粟野商品を買う、ここ暫くは粟野本店に行く事無く専ら駅内での購入。日帰り可能な最終便、十九時五十分の小牛田行乗車、二十二時三十九分水沢着。途中の一ノ関辺りで雨に降られて、やはり最後の最後で雨男発動。

 特別企画展については例によって論評を差し控える。
 灯ろう祭りの海斗ショーでは過去に「音波兵器編」が三年連続で使われたが、果たして今回の「アトラノート編」は来年も使われるのか。言うまでもなく筆者はヒーローショーの素人だが、毎年一本新しい脚本を書くのがそんなに大変なのかとは思う。尤も「去年と同じだぞ」と指摘する筆者のような者を「まんぼう」はやはり「いちいちうるさいオタク」だと思っているだろう。実際、毎回のショーではそのような野次が飛ぶわけでもなく、見物人達は不満そうな顔はしていない。萬画館のウェブの掲示板に海斗運用についての苦情が書き込まれているのでもない。二千円の年間パスポートで通年入り浸り、墨汁一滴ではめったに買い物をせず、BZで注文するのは飲み物程度、職員達には嫌味ばかり言って、そして自身のウェブではこのとおり何かにつけ萬画館を批判する。筆者は「まんぼう」にとって実に迷惑な存在なのだ(解ってるなら出て来るな)。
 最近、複数の海斗関係者から「超神ネイガーと海斗は目指す方向が違う」と言われる。しかしネイガーと比較して「違う」と言えるほどしっかりした「方向」を海斗が持っているようには思えない、寧ろ海斗は何をしたいのか見えない迷走乃至停滞ではないか。DVDは全国発売、料金二千五百円の興行を打てるネイガーと、営業先にまで「仮面ライダー海斗」と誤記されてしまった海斗(修正済み)。全く勝負にならない、最早よほどの事が無い限り逆転不可能だろう。
 萬画館とふるさと記念館の混同ネタはもう何度も書いているが、大体、県下第二の都市でありながら県外に対して「仙台出身」「仙台から来た」等と名乗る石巻市民もいけないのだ。地元民からしてそう言う姿勢だから宮城県全体が「仙台」だと思われて他の市町村と混同されて、そして遠方の人からは両館共「仙台にある」程度にしか思われない。水沢市民や一関市民は「盛岡出身」とは名乗らない。
 ところで「ムチムチ熟女」は褒め言葉だと思う。
 ついでに「女性は眼鏡を掛ければ誰でも知的に見える」と思ったら大間違い。

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