「石森萬画館」第四十七回訪問記

平成十九年七月二十二日(日)

 今回も仙台市から石巻市入り。仙石線六時四十三分仙台発、八時六分石巻着。野蒜駅でマンガ車体とすれ違う。車内では殆ど眠る。
 三十分ほど石巻駅で過ごす。
 いつものマンガロードを歩き、作田島神社参拝後に萬画館入館。BZは十時からなのでまだ入れぬ。
 一階で年間パスポートの更新手続き。
 第33回特別企画展「親子で楽しむタツノコプロアニメワールド」六月三十日(土)から九月十七日(月・祝)まで。多くの名作を生み出してきたタツノコプロの自社原作アニメの特集。川崎のぼる「いなかっぺ大将」のような他者が原作の作品や、「超時空要塞マクロス」のように著作権をめぐって裁判になった作品は今回は除外。近年のタツノコプロは旧作の管理やリメイクを主業務にしているようで、展示の年表は平成元年まで。「アクビちゃん」を主人公にした新作アニメの存在は知っているが筆者は見ていない。
 年表を見るとフジテレビの番組が多い。昭和時代には岩手県にはフジ系の局は無かったが、「ハクション大魔王」「科学忍者隊ガッチャマンシリーズ」「タイムボカンシリーズ」「ポールのミラクル大作戦」「一発貫太くん」「とんでも戦士ムテキング」等々、本放送や頻繁な再放送で見ていた。古参ラジメニアンとしては「ムテキングのレコード無限ループ事件」が忘れ難い。「逆転イッパツマン」の正副主題歌は我が愛唱歌。大平透、山本正之の声もなじみ深い。
 パネル展示が主。やはり昭和の名作大集合の感がある。ああ、聖書アニメ三部作もタツノコだったのか。空想科学、お笑い、少女、冒険、巨大ロボット、実に幅広く手掛けている。  「ガッチャマン」「タイムボカン」両シリーズは展示でひときわ大きな扱いを受けている。また、創業者一族の漫画家・吉田すずかのコーナーもある。玩具類の展示では「ゴールドライタン」が実に懐かしい。
 常設の原画入れ替え、「たまげ太くん」「空飛ぶゆうれい船」「幻魔大戦」。「たまげ太くん」が気に入る。
 一階の交流コーナーで立ち回りの稽古をする人々、男女二人ずつ。
 十時、BZ入店。コーヒーとハンバーグピラフ。
 十一時から交流コーナーでハクション大魔王の娘・アクビの握手会。着ぐるみのアクビ、よたよたと登場。長いまつ毛が印象的。子供達が大勢握手をして行くが、果たしてアクビとは何者なのか理解しているかどうかは定かではない。
 十一時半から同じ場所で海斗ショー。司会は館アテンダント、登場人物は海斗、ミャーガノイド男女、アバローニャ。先述の立ち回りの稽古はこれだったのだ、図らずも登場人物の素顔を見てしまう。今回も出演「初代海斗」。ミャーガノイド女はスカートとリボンを着用している。
 クイズ大会。タツノコ作品からの出題、司会者と海斗は回答者の幼児に何とか正解させようと努力するが回答者の側はそんなこと意に介さない。
 正午。BZでトースト。時間の都合で今回も八幡家には行かず、決して見捨てたわけではない。
 企画の来場者は少なくはない、筆者と同年代の客達は懐かしがって見ている。幼少児も拒否反応は示していない。オープニング、エンディングビデオ上映を見ていたら時間が無くなってしまう。十三時十五分に辞去、十三時半の小牛田行に乗って水沢帰着は十五時五十分。

 懐古色の濃厚な企画展だが子供達もそれなりに楽しんでいるようではあるが、展示の中身を理解した上で楽しめるのは三十代以上だろう。
 今回で石森両館訪問通算九十九回。百回目達成の地はどこか、幸せを掴むのはいつの日か。暗黒大公は行く、果てしない戦いの道を。

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