「石森萬画館」第三十二回訪問記

平成十七年七月十七日(日)

 いつもの道を南下。ヘルメットのゴーグルを上げて走っていると石巻市内河北町辺りで妙に埃が目に入ってゴーグルを下げる。給油して左折、ここでまた道を間違えて内海橋の一つ北の石巻大橋を渡ってしまい、内海橋を通って西岸に引き返してからマシンを置いて中瀬に入る。十六時半頃。
 第5回石巻マンガ灯ろうまつり。既に多くの人で賑わっている。灯篭の設営も進んでいる。ペットボトルのシージェッター海斗登場。今年は打ち上げ花火は無し。萬画館職員数名に会う。
 BZ、アイスコーヒー一杯。
 十七時から二十一時まで恒例の無料開放。常設では「チョビン」が外されて「あかんべえ天使」展示中。
 第23回特別企画展「クレヨンしんちゃん」七月十六日(土)から九月四日(日)まで。実はこれも特に見ているわけではない。映画は数々の受賞歴があるが、テレビは御存知「子供に見せたくない番組」の大常連である。筆者にとっては「あたしンち」が岩手朝日で見られなくなった元凶だ。昨年十月に「クレしん」が金曜日に戻り、「あたしンち」はキー局その他数局では他の曜日に異動したが岩手朝日では打ち切り。
 漫画家には自らマスコミに出演する人と全く姿を秘匿する人がいる、トキワ荘の人々は前者だが臼井儀人は後者だ。これだけ作品は大当たりしているのに本人は出て来ない。パネル展示で経歴の紹介はあるが近影は無い。
 原画展示は同じページでも絵と台詞が別の紙になっているので少々見づらい。紙に書いた絵をパソコンで取り込んで台詞はオンラインで書き入れるのだそうな。
 ビデオ上映、ポスター、世界各国版の漫画本等。
 特別企画展にちなみスタンプラリー開催、和田社長と共に挑む。館の内外五ヶ所のスタンプを集めると十二支のステッカーがもらえる。筆者は寅、実は章太郎と同じだ。
 十八時頃からまた中瀬を徘徊。「まつり」司会は今回から萬画館伊澤女史に交代、浴衣姿が実に良いが、良いのはあくまでも浴衣姿だ。
 同二十分から海斗ショー、こちらの司会のお姉さんも違う人に交代している。大筋は今までと同じ内容だが、今回は水上戦にミャーガノイドが六人参戦、海斗は伝説の剣・ソルセイバーを持って片手運転で応戦。剣を振りかざして疾走する姿はリボルケインを持ってアクロバッターを駆るRXのようだ。また、陸上戦ではヒメラニアン帝国が海斗を苦しめる超音波兵器を使用。海斗が具体的に弱点を突かれて苦戦するのは初めてだと思う。
 とにかく観衆の幼児達の声援がすさまじい、熱狂的という外ない。
 BZで「たらこスパゲティ」。館退職者に会う、もう部外者だから撮ってやらない。
 また公園に出て写真撮影、夜景は本当に難しい。ペットボトル海斗が電飾で青く光るがこれもうまく撮れぬ、輪郭がぼやけるとまるでウルトラマンのようになってしまう。左右に張り出した頭の角こそが海斗の象徴だ。
 どうも屋外の屋台で何か買って喰うというのは好きではない。
 映像シアターの手前が涼しい。鉄道やバス等、全国のマンガ車両の写真が展示されている。ああ、松本零士は既に北海道のふるさと銀河線に絵を提供していたか、岩手県にはIGR岩手銀河鉄道があるのに。職員アイザワ氏と立ち話。
 二十一時で閉館。同十五分に帰途に就き、国道四十五号線に入ってからは青信号に恵まれて何と一関市幸町歩道橋の信号までノンストップ。夜更けの四号線の気温は二十度近くにまで下がり少々寒い。自宅手前のコンビニに立ち寄って帰宅時刻は二十三時半前。今までの水沢・石巻往復の最短時間更新。

 こちらの特別企画展も論評は差し控える。
 海斗ショーは今後も内容の改訂を続けて欲しい、それでこそ毎年見に行く甲斐もあるというもの。海斗は全国各地に出張しているが水上ショーが見られるのは中瀬だけ、中瀬で観戦しなければ海斗は語れない。「江戸の大関より土地の三段目」とは言うが、毎度のショーの盛り上がり方から察するに、当地では超星神シリーズやウルトラマンネクサスよりも海斗の方が人気があるのではないか。
 萬画館女子職員も「祭に浴衣で参加」が実現したのは和服美人愛好家としては大変嬉しいが、どうせなら全女子職員に拡大して欲しい。一体、誰の浴衣姿を見たいのだ。

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