「石森萬画館」第二十七回訪問記

平成十六年九月十三日(月)

 日曜日は仙台市に宿泊し翌朝は仙石線で石巻入り。九時の快速には乗り遅れるも二十三分の普通列車がマンガ列車。十時四十六分着、一時間半近くかかる。松島の海が眩しい。尚、映画「デカレンジャー」「剣」は前日に仙台東映で見る。「悪魔峠の怪人館」以来、十六年振りの仙台東映。
 この日も暑いぞ石巻市。まず四年振りに石巻信用金庫本店に出向いて仮面ライダー総合通帳の改印等の手続き(石巻「墨汁一滴」第五回訪問記参照)。ついでにATMに通してみるがこの低金利時代、残高千円の普通預金に利息はついていない。定期預金十万円は一年の自動継続にしてある。
 萬画館、BLUE ZONE、たらこスパゲティーとコーヒー。平日だけに館内に客は少ない。店員女史と会話。
 第18回特別企画展「仮面ライダー新世紀展Part2」九月十日(金)から十二月十二日(日)まで。全ライダーのPart1に続いて今度は〜栄光の7人ライダー〜。
 Part1の展示内容から「スカイ」以降を撤去して7人ライダー関連展示に入れ替えてある。但し、「スカイ」から「剣」までは一枚ずつ写真が展示の末尾近くにまとめて展示されている。
 何より目立つのはサイクロンとハリケーンの展示だが、「アマゾン」愛好家としては松田洋治とさいかち柳二それぞれの名前入りの台本に目が行く。「ストロンガー」の台本はまだ題名が付いていない。
 展示のそこかしこに記念撮影用の区画がある、前述のマシンの前でも撮影可。やはり撮影可のショッカー手術台に子供を横たわらせて記念撮影をしている親がいる。勿論、原画の前では撮影禁止だ。
 7人ライダーと称しつつも雑誌や人形の展示にスカイとスーパー1が見える。
 村枝賢一からの「熱い」言葉が展示されているが、白倉、井上組のテレ朝ライダーを三年続けて見た後では、今更「正義の味方」「正義は必ず勝つ」式の主張を読んでも空しい。
 墨汁一滴で海斗の飴を一袋買う。値段には割高感があるが職人手作りなら或る程度仕方ないか。時々、海斗の角が傾いているのは御愛嬌だ。地元紙で報じられた主題歌CDの販売はまだらしい。
 事務室で所用を済ませて十三時半頃に辞去し、駅で時間を潰して当日最後の訪問先・涌谷町に向かう。

 Part2は曰く言い難い物足りなさが感じられた。明白につまらなかったというわけではないのだが大喜びするほどでもない。なまじPart1の一部入れ替えだけに中途半端な印象がある。
 何より、「何故、今7人ライダーなのか」という疑問がある。勿論、7人ライダーは即ち「第一期」という区切りではある。また、度々触れているように世間には「仮面ライダー」は「ストロンガー」までしか見ていない、或いは認めないという人は多い。だが現在は例の「仮面ライダーSPIRITS」がZXまで描いているし、今まで何かと日陰者扱いされた「スカイ」「スーパー1」もCSでの放送やDVD発売が実現した。村上弘明も「スカイ」について語り始めている。講談社「仮面ライダーオフィシャルマガジン」も「ZX」までだ。なのにどうして今「7人」という、三十年も前の枠組みを使うのか。それで厳密に7人ライダーだけ展示するならまだ解るが、今回は申し訳程度に「スカイ」「スーパー1」の展示もあったから尚更不満が募る。Part2はテレ朝ライダー特集にでもして欲しかった。
 館内は閑散として客の反応を観察できるほどでもなかった、果たして今の子供達が7人ライダーにどれだけの関心を示すかは興味がある。
 展示物の中に積極的に「記念撮影可」を設けるのはいいことだと思う、「不可」「禁止」と言われるとますますしてしまいたくなるのが人情だから「はけ口」を作るのは正解だ。

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