「石森章太郎ふるさと記念館」第二十七回訪問記

平成十六年九月二十七日(日)

 十一時少し前にマシンで出発、渋滞等には遭わずに一時間半ほどで現地到着。
 何はともあれ蔵楽に入る、やはり筆者の到着の遅れを気にしている店の人々。既に他の県外常連衆は到着しているという。
 ヒレカツ定食。
 蔵楽、生家、エントランスでスタンプラリー押印を受けて三巡目達成。福引きで当てるのは二等、「石森章太郎変身ヒーロー画集Before1975」と石森プロジェクト両館の図録。やっとまともな賞品を当てる。尚、「変身ヒーロー画集」は「BLACK」目当てに「After1975」のみ買っているので、図らずもこれで両巻揃う。
 十三時半から隣の旧石森幼稚園ホールにて「トークショー/TV仮面ライダー/放映実話対談/今なら話せる収録現場の裏話」開催。会場はほぼ満員。今回は一見して判る「その筋の愛好家」が多数目に付く。各種愛好家組織の会員も来訪しているようである。
 町長の代理で教育長が挨拶。
 落語家の出囃子のように、音楽と共に出演者登場。「悪のショッカー」司会のショッカーO野、「仮面ライダー」平山亨、「たたかえ! サイクロン」青柳誠・石森ファンクラブ会長、「レッツゴー・ライダーキック」藤岡弘、。
 筆者の前の席の中年女性が「藤岡琢也ではないのか」と言ってトークショーが始まると帰ってしまう。
 話題の中心は平山と藤岡。製作側の「打倒巨泉(裏番組「お笑い頭の体操」)」への執念、例の藤岡負傷の際の経緯、各人それぞれの章太郎の思い出。話題は「仮面ライダー」のみならず「人造人間キカイダー」「大鉄人17」「エスパイ」等にも及ぶ。そして藤岡の最新作「探検隊シリーズ」。
 今回特に印象に残ったのは、平山と章太郎が話し合ったという「ショッカーをやっつけた後は仮面ライダーは何をすればいいのか」。ショッカーが滅びても世界中にはまだ貧困や飢餓等に苦しむ人々がいるだろう、仮面ライダーはそのような人々を助けて回るのではないかと。そのイメージが藤岡の世界規模のボランティア活動に重なる。いい話だと思う。但し、創世王の台詞ではないが現実世界ではまだまだショッカーは健在だ。
 藤岡の「出会いの大切さ」「出会いは偶然に非ず、必然なり」という主張には筆者も共感する。
 やはりO野の進行はうまい。巧みに話題を引き出し、且つ適度に抑制し、聴衆を飽きさせずに聞かせる。
 テレ朝ライダーについては一切触れられず。尤も、先輩風吹かせての新作批判なんか聞きたくもない。
 最後にO野と聴衆の求めで藤岡が「変身」を披露。花束贈呈の後、「ロンリー仮面ライダー」カラオケに乗って出演者退場。以上、一時間程。
 出演者達は蔵楽二階で休憩。空腹の収まらぬ筆者は更にきのこピラフ、ぶっかけうどん、アイスクリームを喰らうもそれでも足りぬ。決して食の太いほうではないが時々異常に食欲が増進する。
 久方振りに小野寺前館長に会う。
 O野もラジオ関西「青春ラジメニア」常連ゲストなので、岩手県での受信を告げると彼も喜んで握手を求めて来る。これは使える手だな。水木やO野の他に「ラジメニア」と章太郎作品の両方に縁のある芸能人というと宮内タカユキや草尾毅、関智一辺りか。
 平山、藤岡の周囲は常に人だかり、筆者は帰り際の平山に「今度は『キカイダー』の噺をもっと聞きたい」と要望し、藤岡と記念撮影。この後、トークショー出演者達は石巻市に移動して中瀬の岡田劇場でのギャラリートークに出演。筆者はそちらまでは追いかけぬが、追いかける人も少なくなかろう。
 幸朗氏はこの模様の写真を早速「墨汁一滴in石森」ウェブページに載せる。めでたく中田町もブロードバンド開通、店のページは独自ドメイン取得や買い物籠設置で大改装。
 山形県の常連氏と対話。
 十七時の閉館間際、店の人達と共に最後にもう一度企画を見る。「創世記展」はこの日が最終日、店の人達は多忙で今まで見ていないという。一番近くにいながらなかなか見られない、萬画館のBZの人達もそうだ。萬画館「新世紀展Part1」一番乗りの筆者、ふるさと記念館では最終日最後の客となる。
 十七時過ぎに辞去。

 平山の噺を聴くのは初めてで、彼の著書を読んだこと等も無いので大変興味深く聞けた。製作側としての情熱、執念。
 石森プロジェクト両館には「仮面ライダー」や藤岡以外の石森特撮作品関係者にも来て欲しいものだ。伴大介は以前から宮城県訪問を希望しているのだから是非呼んで欲しい。主演を務めた四作品が全て章太郎作品の宮内洋も外せない、今年「快傑ズバット」DVDも出た。それと最近になって「スカイライダー」について語り出している村上弘明が、原作者の故郷で「スカイ」について語れば「村上は『スカイ』経歴を嫌っている」という「通説」も消滅するだろう。岩手県出身の村上は実は宮城県にも多少、縁がある。
 過去にいろいろあって評判を落とした墨汁一滴in石森ウェブページ、あれだけ大改装したのだから今後は積極的な販売展開を期待する。

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