「石森萬画館」第二十六回訪問記

平成十六年九月四日(土)

 九時十一分水沢発、十一時四十六分石巻着、鉄道で二時間半の移動。まだ残暑厳しい石巻市、当地の九月はまだまだ夏だ。
 八幡家に直行して「ミニではないうな丼」と茶碗蒸し。
 中瀬徘徊。当日は「2004年度東北青年フォーラムinいしのまき」開催、その一環で中瀬にて「水木一郎ライブ」と「シージェッター海斗ショー」開催。何と水木ライブも無料という好企画である。今回は公園の西側ではなく南側に大きな舞台が設置されている。
 萬画館訪問で真っ先に向かうのはいつもBLUE ZONE、コーヒーフロートで一服。西側の窓から川を走る水上バイクが見えるが今回のショーには無関係。
 一階を歩いていると館職員佐久間女史が「外で水木が仕掛け時計を見ている」と言うので筆者も外に飛び出す。
 十三時の時報で仕掛け時計展開中、それを見つめる御存知水木一郎。ラジオ関西の長寿アニラジ番組「青春ラジメニア」の常連ゲストである彼に筆者が「岩手で聴いています」と言って近付くと彼は「そちらまで電波が通っていますか!」と大変喜んで握手を求めて来る。筆者の他にも子連れの若い親達が水木に気付いて握手や記念撮影を求め、やはり大人気だ。
 萬画館常連の知人達に会う。
 中瀬の舞台で水木がリハーサルを行う。早くも熱気に包まれる会場。「マジンガーZ」「原始少年リュウ」「ゼブラーマン」「懐かしくってヒーロー」を聴く。「懐かしくって」自体が既に懐かしい、もう十四年も前の曲だ。
 BLUE ZONEや企画で時間を潰す。「新世紀展Part1」の参観は三回目。県外在住で同じ特別企画展を三回見る人もあまりおるまい。
 十四時十五分から海斗ショー。司会者が「七月にデビュー」等と言って、三月の戦いが無かった事にされてしまう。今回は水上戦無し。
 三部構成の三十分。最初の戦闘の次に観客三人を舞台に上げて戦闘員養成教室、そしてまた戦闘。こうして見てみるとヒメラニアン帝国の怪人クラブアビシスは本当に出来が良過ぎる、幼児達が怖がっている。
 十五時から十六時まで水木ライブ。ロボコンやサイボーグ戦士にちなんだという赤い服で登場。曲目は「マジンガーZ」「コンバトラーV」「ロボコン」「仮面ライダーX」「原始少年リュウ」「ズバット」「ゼブラーマン」「懐かしくってヒーロー」、そしてアンコール「ロボット刑事」。
 曲の合間に章太郎との思い出等を語る。章太郎から「仮面ライダーの描き方」を直伝されたそうな。また、「未来の世界はこの歌のようになるのだからそのつもりで歌って欲しい」とも言われたという。
 「コンバトラーV」の技の名前を歌う部分では腕を頭上で回し、「X」では宙にXの字を書く等、彼が歌っている時に少なからぬ客が同じ手振りをするが、何か決まり、慣わしがあるのだろうか。
 驚異の17曲メドレー「懐かしくってヒーロー」。その「風よ光よ」の部分を「誰がために」で歌い、「宇宙戦艦ヤマト」の部分では「石巻へ帰る」と歌う等して地元サービスも満点。勿論、舞台から降りて客席の中に入って客と握手。宮城県出身の「海斗」主題歌・遠藤正明と「ゼブラーマン」作詞と脚本・宮藤官九郎についても言及して、遠藤が石巻市出身という事では客の間から「そうなの」「知らなかった」という声が上がる。
 天気予報では涼しくなるはずらしいが実に暑い、これも水木自ら「俺のせい」と言う。大興奮のうちにライブお開き。
 事務室で話し込む。閉館時刻の後、水木は館内で館職員達と記念撮影をしたようである。
 知人達は先に帰って筆者は最後、十九時半に辞去。同五十五分の小牛田行に乗って水沢帰着は二十二時四十七分。

 とにかく水木ライブは良かった、これで本当に無料でいいのかと思ってしまったほど。「フォーラム」企画者は実に偉い! 水木は石森作品の常連歌手だけにこれからもマンガランドに来て欲しいものだ。今回の曲目以外にも石森作品の持ち歌はまだ沢山ある、筆者は「はるかなる愛にかけて」を是非聴きたい。
 ああ、毎度毎度海斗ショーは盛り上がるのだから早く主題歌CDを販売してくれ!

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