「石森萬画館」第百十五回訪問記

平成二十九年十月二十九日(土)

 また一日で石巻市と仙台市を回ろうと言う企画。
 雨。六時三十七分東北本線水沢発、一ノ関着が三、四分遅れるが同駅でのホリデーパス購入には間に合う。塩釜で仙石東北ラインに乗り換え、九時二十分石巻着。終日どこに行っても雨である。
 中瀬を通過し、旧北上川の対岸に渡る。普段用事が無いので対岸に渡るのは十数年振り。渡ってから右折、南下する。駅から三十分ほど歩いて今回の主目的地、一皇子いちおうじ神社、地元での通称「いづおんつぁん」に着く。牧山の崖のすぐ下に鎮座し、祭神は 後醍醐帝の皇子、 護良親王。鎌倉に於いて落命したのではなく、この地に逃れて生涯を終えたという伝説がある。筆者がここまで歩いてくる途中にも吉野町三丁目と言うバス停があり、近辺に御所の浦、御所入と言う地名もある。参拝。
 鳥居や社殿の扁額は「一皇子宮」。大変綺麗な建物だが川岸と言う場所からして津波の直撃を受けたのは間違いない。社務所の大きな建物はあるが普段は無人のようである。境内に由緒書は一切見当たらない。雨が降り止まず、足元は悪い。ぼろ靴に水が浸み込む。
 一時間程してから中瀬に引き返す。作田嶋神社参拝。
 入館。第67回特別企画展 安野モヨコ原画展十月二十一日(土)から一月十四日(日)まで。
 全く知らない漫画家である。親に連れられた幼い男児が泣いている。一通り見てみると淫猥な内容の作品がいくつもある。もしも児童が親に向かって「これ何て読むの」「娼婦ってなあに」「この人達何してるの」「どうして裸なの」と質問したら親はどう回答するだろう。入り口には特に「鑑賞に当たって配慮をお願い」云々の注意書きは無い。
 常設では先週より有料ゲーム「仮面ライダーに変身!」にBLACKが加わっている。固より手足を激しく動かすのは苦手、嫌いなので敢えて試さず。
 先程泣いていた男児が仮面ライダーコーナーでは喜んで笑っている。
 原画展示は週刊少年サンデー掲載作品。当然ながらBlackもあるがテレビの放送開始日を十月九日と誤記しているので通報しておく。
 十二時過ぎに辞去して、二十五分の仙石線で仙台市に向かう。

 もし今回の特別企画展を幼い子連れで見に行く予定の人がいたら是非とも「配慮」をお勧めする。親が先頭を歩いて、先に作品内容を確認すべき。

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