「石森萬画館」第百四回訪問記

平成二十八年七月二十四日(土)

 前回と同じく東北本線七時四分水沢発、十時四分石巻着。晴れ、暑い。
 横手市増田まんが美術館に二度行ったので、スタンプラリー台紙は二枚持っている。石巻市街地を回ると缶バッジがもらえる。駅前のロマン海遊21から回り始める。009ポケットパークで古本収集家氏とすれ違い、挨拶を交わす。
 少し路地の奥に入るような部分もあるが、概ね順調に押印収集を続ける。中瀬着で萬画館にすぐ入館し、三階ライブラリーで達成。Xとガタックの缶バッジを受け取る。まんが美術館と萬画館の両館達成景品はこの時点でもまだ。差し出された紙に住所氏名を記入して「二冊だぞ」と念を押して立ち去る。
 同じく三階の研修室に、開館当初から今までのチラシ、ポスター類が貼られている。津波被害があったのによく残っていたものだ。
 第61回特別企画展「菅原芳人WORKS展〜GO!GO!仮面ライダー〜」七月十六日(土)から十月十日(月)まで。菅原作品はふるさと記念館でも見た事はあるが、個展を見るのは初めてである。
 展示は三部に分かれている。第一部は仮面ライダー。LDやDVD、人形等の箱の絵。ここにも「BLACK」がある。
 第二部は仮面ライダー以外のヒーロー、ヒロイン。章太郎作品の他、ウルトラシリーズやブルース・リーもある。「ウルトラマン」の絵を見て「ここは石森なのにどうして」と不審がる人あり。筆者は全巻持っている川口浩探検シリーズDVD‐BOXも展示されている。
 第三部はフェイクチラシ。実在の作品を題材にした架空の宣伝チラシである。一時期、雑誌「宇宙船」で連載されていた。
 二十三、二十四日は開館十五周年記念マンガッタンフェスティバル開催。
 十時四十分から隣の公園でシージェッター海斗水上ショー。まんぼう佐藤奈津美女史が脚立の上から拡声器で、観客達に水濡れ注意を呼びかける。既に関東では行っていたようだが、本拠地たる旧北上川での開催は六年振り。
 水上バイクで下流からやって来たミャーガノイド四、五人を海斗が追跡して水上戦を繰り広げる。そして戦闘の後は海斗がサインボールを観客に向かって投げる。水上に落ちてしまったサインボールをまんぼうの木村氏が網ですくって海斗に手渡す。
 十一時から陸上の舞台で仮面ライダーショー。当初発表で登場ライダーは1号、V3、RX。ショッカーのサボテグロンと戦闘員二人が新戦力を手に入れて再改造を施した旨を語るが、そこに1号がやって来てショッカー一時退散。ショッカーの新戦力とは何とシャドームーンで、登場時には客席からどよめきが起きる。ショッカーの支配を力で排除したシャドームーンは逆にショッカーの指揮権を奪取してしまう。シャドームーンの台詞が対句を使ったり文語的だったりで、オーディオドラマ「歌とアクション」を想起させる。サボテグロンに対してまさに格の違いを見せつけるシャドームーン。1号対サボテグロン、そして宿命の対決である両王子の他、V3も参加しての大乱戦。場面転換では「BLACK」のM48b別等、両王子の対決で同じくV7aや「BLACK」二部作の挿入歌インストゥルメンタルを流したり、そして三人ライダー対シャドームーンの最終決戦では「永遠のために君のために」を使ったりと、実に通好みの選曲。尚、ショッカー側は仮面ライダー達を南光太郎等の本名で呼んでいる。今回は戦闘員養成等の観客参加型の趣向は無し。
 ショーの後に三人ライダーとの握手会。筆者は遠くから見るだけだが、もしシャドームーンと握手できるなら並んでいた。
 八幡家はこの日も予約満席。もう一年くらいは八幡家に入っていない。高級料亭の高価な鰻を喰いそびれて、その代替は中瀬公園の屋台、焼きそばとたこ焼き。決して屋台が悪いと言うわけではないが、この落差。今回は屋台の数が少ないような気もする。
 作田嶋神社参拝。
 館に出入り。
 十三時四十分からの海斗水上ショーと十四時からの仮面ライダーショーも見ておく。
 十五時からの海斗映画。
 萬画館で新たに受領したスタンプラリー台紙を使って復路を行き、ロマン海遊21で1号の缶バッジを受領する。
 十六児二十九分石巻発、十九時四分水沢着。
 「風の絆」は二十九日に届く。

 特別企画展は仮面ライダー勢揃い、しかも他のヒーローもいろいろ見られて幅広い年齢層が楽しめると思う。
 仮面ライダーショーは「オールライダー対大ショッカー」を思わせる内容で、シャドームーンの扱いが良く、実に格調高い。単なる戦闘要員ではなく、王子としての風格を持たせた演出である。ゴルゴム愛好家として満足。やはり仮面ライダーシリーズを代表する悪役はシャドームーンだとの思いを強くする。

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