「石森萬画館」第九十二回訪問記

平成二十七年一月十八日(日)

 前回訪問記に書いたとおり、萬画館開館前の旧墨汁一滴訪問は八回。そして今回の萬画館訪問九十二回で、石巻マンガランド訪問通算百回である。
 特に早く行く必要も無いが、往路は記念の為に敢えて石巻線マンガッタンライナーを選ぶ。雪模様の水沢市から七時六分乗車。十時八分着の石巻市に雪は無いが風は強い。
 昨秋から立町のアーケードは撤去作業中である。半分以上撤去されているが、まだ残っている部分もある。強風で飛ばされぬように帽子を手で押さえつつ東に歩みを進める。
 久方振りにマンガランド構想第一世代を訪ねようと思ってまず床屋の和田社長を訪ねるも店が定休日、且つ留守。店は粟野蒲鉾店の隣に移転済みで、跡地は既に更地になり、萬画神社は元の場所に残っている。永巌寺まで見通せる。マンガスタンプラリーのスタンプは粟野の店前に移動。
 その粟野もまた、この日と十九日は臨時の休み。
 正午の八幡家開店までどこで過ごすか。ニューゼに入り、武内館長といろいろ会話をする。時に本棚から取り出した本を広げながら話し合う。
 そして正午頃に八幡家を訪ねれば毎度の「本日予約客のみ」。
 中瀬に向かう。復興マルシェは予定どおり昨年十一月限りで終了、敷地は閉鎖中。西内海橋の上流で新しい架橋の工事が始まっている。作田嶋神社参拝。
 一階西側から入館してまず墨汁一滴で買い物、「シージェッター海斗10周年記念アルバム」とフレーム切手。館内は賑わっている。入場券販売機の脇に「今回の特別企画展は暴力的、グロテスクにつき」と言う注意書きがある。
 BZで炒飯とBLACKコーヒー。本当は八幡家で食事したいのに仕方なくBZで食事、これを「BZの逆襲」と言う。
 十三時半からアイトピアで特別企画展関連の催し物があるからか、館内でなじみの職員とは会わず、特に誰とも会話せぬ。
 第56回特別企画展「攻殻機動隊原画展in石ノ森萬画館」一月十七日(土)から 四月十九日(日)まで。「攻殻機動隊」の題名くらいは知っているが作品自体は全く見た事が無い。
 展示の冒頭に、一階と同様の注意書きがある。また、「今回の展示は関係各方面が倫理的に検討した上での展示」と言う断り書きもある。
 漫画やアニメーションの資料、関係者からの色紙、押井守監督作品に出て来る犬の人形等。
 常設では「幻魔大戦」「009」「人造人間キカイダー」「変身忍者嵐」の原画展示。「009」以外は第一回だと思う。「幻魔」に「きちがい」台詞があるが「不適当な表現」云々の断り書きは無い。当該展示は十二月からなので全く偶然だが、帰宅してから平井和正の訃報に接する。
 また例によって館内徘徊。そして再びBZで年間パスポート提示で飲み物一杯、百円。墨汁一滴でナノブロックと言う商品を売っているがV3よりふさわしいライダーがいるだろう、仮面ライダーBLOCK。
 三階研修室で「第13回東北電力図画コンクール 想像の海の生きものたち」の作品展示中。児童画。作品掲載のカレンダーを貰う。
 「海斗特別編」は二回見る。
 十五時半頃辞去して「まんがる堂」に立ち寄り、二階の石巻市街地写真展を見る。立町アーケード全盛期、エンドーチェーンもあった頃。パレードでは当地出身の関取・春日富士の姿も見える。ビデオも上映している。
 立町通りの北日本銀行のもう少し行った辺りにパトカーが何台も来て、車両の通行を遮って引き返させている。工事中の建物の外側の覆いが強風で倒れそうなのだと言う。中には突破しようとして警官から怒鳴りつけられてやはり引き返させられる車両もある。歩行者は特に何も言われないので足早に通過する。
 関係者の誰にも「百回」を告げぬまま、十六時二十二分の小牛田行に乗り、定刻どおり十七時二分着。強風の為に仙台方面からの列車が遅れて、小牛田発石越行の列車が出発できずにつかえてしまう。十七時三十七分発一ノ関行が出るのは五十五分頃。この便も強風の為に徐行運転で、本来なら五十分足らずで着くところが一時間かかる。一ノ関で約四十分待ちで、一度改札を出てラーメンを喰う。十九時三十一分発で五十五分着、本来より約五十分の遅れで帰着。

 オイスタンプラリーから通い始めて通算百回、その記念の日に顔なじみの誰にも会えないと言う何とも間抜けな回。差し当たり海斗CDは入手できたからよしとする、ボーナストラック「I Can See !! KAITO」が聴ければ満足。この曲こそ海斗関連で一番好きで、前々から欲しかったのだ。
 特別企画展については例によって論評を差し控える。子連れの客も多かったが、これもキャーカワイーと言う世界ではない。寧ろ常設の原画展示の方が楽しめた。

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