「石森章太郎ふるさと記念館」第七十三回訪問記

平成二十三年七月十六日(土)

 暑さで寝不足でも早く目覚める。七時半過ぎにマシンで出発。快晴で気温も既に高い。前沢町内で給油していつもの経路を通り、九時丁度頃に現地到着。南側駐車場にマシンを置く。既に多くの自動車が停めてある、殆ど宮城ナンバー。
 この日は有名ゲストを招いての開幕イベント等があるわけでもないが、敷地内にも十人程の行列ができている。混雑はしていない。やがて開場、人々は本館に入る。
 熊谷館長の他、小野寺、本宮の両・元館長も来館している。市長の姿は見掛けない。客層は例のその筋の愛好家が主で、孫にせがまれて来た祖父母等は見当たらない。親に連れられた幼児はエントランスに飾られた仮面ライダーの人形の方に興味があるようである。中高生の姿を見ない。
 第38回特別企画展「エヴァンゲリオン展」この日からから十月二十三日(日)まで。
 「新世紀エヴァンゲリオン」は当時TBS系岩手放送で早朝に、最近は日テレ系テレビ岩手で深夜に放送されていたのは知っているし、主題歌「残酷な天使のテーゼ」も何度となくアニラジ番組で聴いたが、テレビシリーズも映画も全く見た事が無く、筆者は所謂社会現象には触れずに過ごして来た。筆者の世代のガンプラやキン消しのような、世間に怪獣怪人ロボットの人形類が溢れ返ると言うような流行ではないように思う。「残酷な…」が幼稚園の運動会で流行したかどうかは知らない。
 本館エントランス、前回はミッフィー達がいた所に今回は高さ二メートル余の初号機、長さ三メートル半のロンギヌスの槍が鎮座している。多くの人々がその前で記念写真を撮影して行く。
 企画室内の展示資料はテレビシリーズや映画に留まらず、漫画、各種タイアップ等にも及ぶ。ただ、展示商品の中に対象年齢の低い子供絵本の類は無かったように思う。テレビシリーズ企画書は全ページが掲示されている。図書や絵コンテコピーは手に取って鑑賞できる。登場人物の実物大の人形は細身である。複数のテレビセットで映像の上映中。資料に熱心に見入る人々の姿が見受けられる。一番奥には庵野秀明を筆頭に関係者の記念色紙が飾られている。章太郎への敬意と開催についての感謝の辞を述べている庵野。
 例によって一度に全部は見てしまわない。何度も出入りして少しずつ見る。
 常設の展示は変わり無し。
 十一時頃、マシンで登米市歴史博物館に向かう。県道を南下して五分ほど、迫町に入ると飲食店、コンビニエンスストア、スーパーマーケットが立ち並び、自動車の通行量も多い。鹿ケ城公園内を散策した後、隣の博物館に入る。企画展「仙北鐵道写真展〜木村優幸コレクション〜」六月十八日から八月二十八日まで。嘗てこの辺りを走っていた軽便鉄道の展覧会。見学者向けにクイズが実施されており、全問正解で非売品絵葉書セットをもらう。
 一時間程でまたふるさと記念館に戻る。近所のたけちゃんラーメンでみそスープラーメン三百八十円を喰う。記念館の徒歩圏内唯一の食事場所だが特に混んではいない。
 「めだか」も生家も閉鎖中だが、エントランスで特別企画展関連商品を販売している。これがまた見る間に飛ぶように売れて行く。今回の特別企画展限定のTシャツあり。
 十三時半頃に辞去。伊勢岡神明社と石森局ATMに立ち寄ってから帰途に就く。まだ花泉町内では片側交互通行箇所があり、それ以外にもあちこちに路面亀裂が残る。疲れを感じて途中のコンビニエンスストアで休憩したりして、十五時半頃に帰宅。

 例によって作品自体を知らないので評価は差し控えるが、作品世界の多様な広がりは実感できる。展示品のうちの洋服は、飾るのではなく女子職員が着る方が良い(いつも同じ主張)。
 交通や食事が不便なふるさと記念館の標語を作った。「行くだけでアドベンチャー、一日過ごせばサバイバル」。

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