「石森章太郎ふるさと記念館」第五十一回訪問記

平成二十年八月十七日(日)

 曇天の下、九時二十分頃にマシンで出発。国道四号線の平泉バイパスはこの月の五日に全線開通したばかり。そこを走っている途中でとうとう降り出して一度マシンを止めて鞄から雨具を取り出して着込み、再出発。花泉町で給油して、県境を越える辺りでは降っていない。十時四十分頃現地着。恒例、記念館友の会夏祭り。
 生家に顔を出すもすぐ出る。十一時から一回目の仮面ライダーキバショー。司会のお姉さんの訛りが気になる。登場はキバ、同ガルルフォーム、イクサ、ファンガイアの怪人と戦闘員達。ショーでもキバとイクサは衝突する。ショー終了後の「キバのお歌を歌いましょう」が無い。
 屋台が数多く並ぶ。好物のフライドポテトを喰う。
 旧蔵楽の建物には「ミュージアムショップめだか」の真新しい看板が掲げられ、店内には飲食店営業の許可証が掲げられて食堂機能再開。小野寺弘幸氏もここの厨房に立つ。氏の勧めでカレーライス一つ。
 終日、館の近辺を徘徊、出たり入ったりする。伊勢岡神明社参拝。
 本館受付に「電王」ハナとナオミの人形が飾られている。女子職員達がこの格好をすればいいのにと思う。
 特別企画展をこの日はじっくり見る。平成元年発表の章太郎の文章は「正義は必ず勝つ」と訴えているし「BLACK」愛好家なら小学館「超全集」所収の「永遠の正義」も周知だが、それと正義否定を明言した白倉・井上路線は相反している。尤も、テレビ「BLACK」萬画「Black」共、その結末は「正義の味方が必ず勝つとは限らない」としか言いようが無い。職員に展示内容の間違いを指摘、昭和六十三年公開の「BLACK」映画は二本である。仮面ライダーシリーズ歴代オープニングの上映、「BLACK」は#2。萬画原画、アニメ原画、写真パネル、変身ヒーローの等身大人形、撮影に使われた着ぐるみ等々、多少全体としてのまとまりが無い展示。よく言えば多彩、様々、悪く言えば雑多。
 エントランスに企画の入口の脇に手塚プロ提供の「ブラック・ジャック」の「もらい水」のページ拡大と当該話抜粋が展示してある。作品中の地震発生日時、場所、マグニチュードが先の岩手宮城内陸地震に符合しているのだと言う。
 常設奥の映像機器は更新されている。
 十四時からのキバショーの時には完全に雨模様。観客席のブルーシートは撤去されて少ない観客は傘差して総員立ち見。時折、舞台の上の出演者がズルッと滑っている。
 「めだか」でオレンジジュースを飲み、油麩そばを喰う。やはり蕎麦はよい。
 舞台から聞えて来る「北海盆歌」、筆者は勿論腕を振って「全員集合」の踊りをする。
 夕刻には雨は上がり、市長や教育長、市議会議員参集。上下両院議員からも祝電が届く。
 夕刻と晩、二回お楽しみ抽選会があるが全くかすりもせず。市長自らくじをひく。
 金魚すくいの店番をする。
 二十一時半過ぎに帰途に就き、二十二時五十分頃に帰宅。バイパス開通で片道一時間強で着く。バイパスの区間は信号が少なく、快適に走れる。

 祭の内容については既に定着しており、今後もこれでいいと思う。
 宮内タカユキのライブでは舞台客席一体となって「RX」熱唱だが、今まで原作者の地元でのテレ朝ライダーのショーで観客の子供達が主題歌を歌うのは全く見た事が無い。テレ朝ライダーも十年近く放送して来て、その年にCD売り上げが上位に来たり、「紅白」に出場したりしても後世まで長く歌い継がれる歌を生み出せているだろうか。
 「めだか」は弘幸氏や西條女史のように以前からの顔馴染みが店にいるのが嬉しい。再び楽しめるようになった油麩料理。まずはめでたい、一安心。

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