「石森章太郎ふるさと記念館」第四十一回訪問記

平成十九年二月十七日(土)

 前回の訪問から一週間も間をおかずに再訪問。
 今回も七時六分水沢発、一ノ関で二十九分待ちで石越着は八時二十二分。晴れ。最近、一ノ関での接続の不便さが気になり出す。
 バスは九時十八分のはずだが定刻になっても来ぬ。仙台方面から来たと言う人が、乗り場で待機中の他のバスの運転手に運行を尋ねている。その人もふるさと記念館目当てで来たとの事、筆者四十一回目のふるさと記念館訪問で自分の同行者以外でバスでふるさと記念館に行く人を初めて見る。尤も、筆者はその人と会話はしていない。
 数分遅れで石越駅前にバス到着。遅れるほど混んでいるわけでもない。今回のように五人も乗っていれば大入りである。
 今回は車内放送あり。石森仲町で下車、久方振りに伊勢岡神明社参拝。参拝後、裏道を通って館に向かう。旧石森町役場の門柱が移設されているのに気付く。
 例によって生家、小野寺おっかさんと暫し歓談。
 蔵楽を通過して本館入館。
 第8回自主企画展「高校生マンガ展」この日からから三月三十一日(土)まで。年度末恒例の企画である。勿論入場無料。如何に無料でも、知人が出品しているわけでもないのにわざわざ県外から毎年素人作品を見に来るのも筆者くらいのものだ。
 今回の参加校は順不同で宮城県工業高校、東北高校、宮城一女、デジタルアーツ仙台、東北福祉大、代々木アニメーション学院、そして先日のメモリアルデーに参加した地元の幼児児童。大学や専門学校も参加して、「宮城学生マンガ展」の趣がある。
 展示の趣旨、大筋は変わらない。一齣、二齣から数ページに亘る力作もある。特にページ数の多い作品(東北高校三点、工業高校一点)は壁の掲示ではなくファイルに納められて閲覧するようになっている。
 常設の展示は変わり無し。
 蔵楽で章太郎御膳を喰っていると本館から呼び出される。テレビの取材が来たので「見ている人」として企画室内に立って欲しいと言う。筆者、熊谷副館長、蔵楽の千葉女史の三人が「見ている人」を「演じる」。三人のうち二名は施設の関係者、筆者は筆頭常連。こういうのは「やらせ」とは言わないのか。
 撮影終了後、食事再開。そしてブルーベリーアイスクリーム。
 本館のエントランスで珍しく「アンケート」に記入、交通の便の悪さを訴える。当館の愛好家にとって交通の不便さは常識、筆者も過去の訪問記で何度も指摘してきた事である。田舎の人はどこに行くにも自家用車に乗ってしまうので、意外と地元のバスや鉄道の不便さの実態を知らない。登米市内に見るべきものは少なからずあるのにそれらを結ぶ交通機関が無いのである。
 蔵楽でデザートにざるそばとメロンフロート。
 また企画を見ておく。
 生家にも別れの挨拶。
 十四時半頃、手配の自動車で出る。十五時丁度の下りに乗って一ノ関での待ち時間は五分、五十分に水沢に着く。 

 元々は東北高校マンガ部の「まんが甲子園」優勝記念作品展示から始まった企画だが、恒例行事としてすっかり定着した。もっと県内の高校から広く作品を募って、企画展示室、エントランス、生家まで目一杯使って展示してもいいと思う。将来漫画家を目指す若者にとって「漫画の王様」の記念館での展示は誉れ、励みであろう。

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