「石森章太郎ふるさと記念館」第三十八回訪問記

平成十八年八月十九日(土)

 九時過ぎ、マシンで出発。好天の下、いつもの国道を南下。一関街道から右折して、記念館の手前のカントリーエレベーターに到着、十時半頃。この日は館の駐車場は使用不可の為、カントリーエレベーターから送迎シャトルバスが運行している。ここでマシンを置いてバスに乗る。他の乗客は幼児を含む家族連ればかり。カントリーエレベーターから館まではすぐである。
 「石森章太郎ふるさと記念館夏祭り」四年振りの参加。
 蔵楽。いつもの三人にもう一人女性が加わって営業している。まずは軽く大ざるそば。以下、何度も蔵楽に出入りして色々喰らうがいちいち記さない。
 十一時から「仮面ライダー生誕35周年記念イベント 仮面ライダーカブトショー」開催。「原作者の生誕地」で行われる「35周年記念」は恐らくこれが唯一の施策。出演は司会嬢、カブト、矢車ザビー(パーフェクトハーモニー)、ワームの親分格と子分三人。司会嬢は客席に向かって、舞台に接近しない、ごみの始末、帽子やタオル等をかぶる、の三ヶ条の遵守を要求。ライダー二人はキャストオフしてから登場。カブトの台詞はテレビ版をきちんと研究しているな。出番以外では司会嬢が舞台の下に駆け下りて機材を操作したりして、人手が足りないのか。白けたのはやはりラストの「カブトのお歌を歌いましょう!」。「こんな難しい歌誰が歌えるか」と野次を飛ばす、筆者が言うまでも無く歌の間は沈黙が客席を支配する。
 生家。ふるさと記念館最強のアイドル・小野寺おっかさん。隣の市から来たと言う同好の士と対話。この日は生家の見物者も多いという。子供向けに、コピーで作った「アンパンマン」塗り絵配布。
 第21回特別企画展「やなせたかしとアンパンマン展II」七月十五日(土)から十月九日(月・祝)まで。何度も言及しているが石森両館を通じて最強の企画展示、それは「アンパンマン」。
 四年前とは展示作品を入れ替えてあるがいくつか見覚えのある物もある。「アンパンマンマーチ」歌詞自筆原稿が目を引く。テレビセットは不設置。何と今回は室内写真撮影可、親が子を作品の前に立たせて撮っている。
 日に何度かエントランスにアンパンマン、ばいきんまん、ドキンが登場して撮影、握手会。長蛇の列が出来て、本宮館長が「最後尾」のプラカードを持って立つ。ほんの数分間、館長の代わりに筆者がプラカードを持つが、こんな事するから「関係者」と間違えられるのだ。やはり凄まじい「アンパンマン」人気。
 最近は訪問の度に常設の「星の子チョビン」の原画が差し替えられている。それもまた楽しみではある。
 十四時半の「カブトショー」も見てはおく。
 「よさこい」の定義とは何か、曲は何であれ鳴子を持って踊れば「よさこい」なのか。十五時からの「仮面ライダーよさこいバージョンコンテスト」で、「Justiφ’s」「輝」「NEXT LEVEL」が聞えて来る。
 十六時半からの「大嶽太鼓」は力強さと優雅さがあって良い。
 専門家に訊け。地方自治の疑問について本宮館長に教えを請う。首長、議会、住民投票、この三者のうち一番偉いのはどれだ。
 十七時からのお楽しみ抽選会(1回目)で当たり。泉田油店提供の小さな包み。差し当たり持ち帰れる賞品であれば良し、登米市内の店の食事券や山砂(2トントラック1台分)、有機たい肥を貰っても困るだけ。帰宅後に開梱すれば皿が二枚。
 十九時頃か、近所の国会議員や市の幹部が舞台に上がって挨拶。上院議員大石正光、四年前の祭りの時は下院議員だった。
 何度も本館、蔵楽、生家に出入りして、且つ蔵楽で喰らう。本館のエントランスの飼育箱の中で鈴虫が鳴く。
 二十時半からのお楽しみ抽選会(2回目)、既に筆者に権利は無いが何となく見物してみる。当たり番号が発表されても自己申告で賞品を取りに行かないと権利消滅、再抽籤。その権利消滅が告げられる度に、舞台の直下に詰め掛けた少年達が歓声を上げるのは決して上品ではない。
 二十一時頃お開き。またバスに乗り、マシンに乗り換えて二十二時半頃に帰着。

 「アンパンマン」を見るのも三回目、特に言うことは無い。題材そのものに力があれば展示の巧拙等は問題ではなく、客は入る。
 この際、仮面ライダーショーはこれからも毎年開いて欲しい。誰が何と言ってもここは「原作者の生誕地」だ。石巻市がどれほど騒ごうと「元祖は登米市」これは不動である。だからこそ東映グループはもっとふるさと記念館に敬意を示せ、とも思う。
 「カブトショー」は司会嬢の口上にも「35周年」を入れて欲しかった。地元での記念企画がこれだけと言うのも寂しいが何もしないよりはマシ。

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