「石森章太郎ふるさと記念館」第三十五回訪問記

平成十八年二月二十五日(土)

 八時二十六分水沢発、九時二十三分石越着。晴れ。水沢市内はまだ随所に雪が残るが一関市まで南下するともう殆ど雪は無い。三月一日の自動改札導入に向けて一関駅西口工事中。
 所持金百円少々につき、石越郵便局ATMにて資金調達。さしたる意味も無く「くりでん」石越駅内外を撮影してから四十七分の市民バスに乗る。筆者の前に客は無く、後からバス停以外の場所で挙手して地元の女性二人が乗車。そして筆者一人がふるさと記念館前で下車。運賃が安くなっても土日は一日一本という不便さでは、やはりふるさと記念館参観にバスを使う人はいないのだ。
 生家直行、小野寺おっかさん。コーヒー飲みつつ対話。宮城県の私立東北高校卒業生がオリンピックで金メダル、それで誰か広瀬川に飛び込んだのだろうか。
 一時間ほど過ごしてから蔵楽入店、西條、千葉両女史。「カブト」商品続々入荷中、一方で「響鬼」のもまだだいぶある。ここでも暫く歓談。メロンフロート。
 十一時四十分頃、漸く本館に移動。事務室に招き入れられる。正副館長在室、本宮館長に会うのは久方振り。本宮館長、これからの地方自治を語る。前回の銅版画展と後述の高校生展、入場無料企画が続くが、館長によれば登米市内の施設ではふるさと記念館が稼ぎ頭なのだという。
 熊谷副館長と共に企画に入る。第6回自主企画展「高校生マンガ展」二月二十五日(土)から三月三十一日(金)まで。この時期恒例の企画である、入場無料。
 今回の参加校は東北高、宮城県第一女子高、同県涌谷高、菅原学園デジタルアーツ仙台校、東北福祉大。やはり東北高顧問山下氏の四コマ作品が良い。どうも二コマ、三コマ作品はなじみにくい。一コマや数頁の作品も多数。凄惨な血飛沫作品は嫌いだ。漫画の技法以前に主題、主張が「青い」作品も数点。東北高校の「まんが甲子園」本選での作品は「打倒神様」を標榜する、実にばち当たりな作品。しかしそれくらいの意気込みがいいのだ。
 展示室の中央に、高校時代の章太郎の作品が掲載された学校新聞等が展示されている。カットだけでなく、見出しの文字(レタリング)も章太郎の作品のように、筆者には見える。
 正午頃、蔵楽に戻る。店頭のテレビをつける、東日本放送他東北六県ネット「土曜のてっぺん」に秋田県の「地産地消ヒーロー」超神ネイガー登場。秋田県からの報告の後、スタジオに戦闘員「ホジナシ」とネイガー乱入。シージェッター海斗が洗練された正統派ヒーロー、よい子の味方を強調しているのに対して、ネイガーは方言や農業等、田舎臭さを前面に押し出してウケを狙っている。筆者が動くネイガーを見たのは初めてだ。
 昼食は蔵楽ランチ。
 食後、本館を歩き回る。閑散とした館内、客は「いないこともない」という程度。大体高校生作品をわざわざ県外から見に来る奴の方がどうかしているのだ。
 またまた蔵楽、店の千葉氏や熊谷副館長も来ている。副館長に「仮面ライダー誕生三十五周年」にちなむ企画を強く要望する。
 十四時十五分頃辞去、南側に向かって歩くとこちらを見ている男性、近付けば小野寺弘幸氏。今年最初の対面、挨拶を交わす。生家にもう一度入っておっかさんに挨拶、二十一分のバスに乗る。すると何と午前中の往路と同じ乗客が二人、そのうち一人は筆者を「よく見るお兄さん」と言う。彼女達は筆者より先に下車、やがて石越駅前で筆者ともう一人の客が降りてバスは空になる。十五時の下りに乗って五十分に水沢着。

 高校生展については特に言うことは無い。今後も末永く続けて欲しいものだ。
 果たして「原作者の地元」は「三十五周年」について腰を上げるのか。
 ついでに、登米市ネタではないがネイガーの事。公式ウェブで海斗とネイガーの最近の活動を比較してみると、どうもネイガーの方が商売熱心に見える。主題歌CD発売以後の海斗は新展開が無くて停滞気味だ、幼稚園訪問もよいがもっと激しく戦って欲しい。何度も言っているが海斗は「原作・石森章太郎」と言う点で他の地方ヒーローとは「格」が違うのだ。

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