「石森章太郎ふるさと記念館」第二十六回訪問記

平成十六年七月三日(土)

 前項の続き。
 マシンで北上を続ける。相変わらず晴れで気温も上がり、寧ろ良すぎるくらいの天気。
 登米町の(資)海老喜商店に立ち寄り、「そば」「うどん」「つゆ」を買う。前回買った物は友人に土産物として渡しているので自分ではまだ喰っていない。福島県からの団体客が来ている。
 十三時半過ぎ、ふるさと記念館着。息を切らしつつ急ぎスタンプラリー台紙を鞄から取り出して蔵楽と生家を回り、そして四十分頃、エントランスでスタンプ六種完集。ふるさと記念館での完集達成者第一号である。福引の挑戦権を得て一度回すも、外れ。果たして筆者自身がくじ運がある方かどうかは判らないが、少なくとも「ガラガラ」で当たった記憶は無い。
 まだ息を切らしている。蔵楽で休憩、メロンフロートと新品目の「ざるそば」大盛り。やはり麺類には目が無い。新品目が出来ると、幸朗氏の方で「これはまだでしょう」と勧めてくれる。
 蔵楽組と歓談。今般の上院選挙についての宮城県選管の施策は各媒体に取り上られて、全国的な笑い者になっている。しかし何よりみっともないのは岩手県だ、文言が公正さを欠くと県議会自民会派から物言いがついて(共産も同調)ポスター、CM使用中止。結局、宮城県での投票率は53.92%で東北六県で下から二番目(最低は青森県53.91%)。岩手県の63.33%を約10%も下回っている、やはり失敗だな。尚、中田町選管は比例選の開票作業で、百九票を得た候補と零票の候補の得票を取り違えて集計し発表するという失態を演じている。だめだこりゃ。
 エントランスでガラスケースにテレ朝ライダーの玩具類を飾っている人がいる。その人から「最近の戦隊は石森作品ではないのか」と問われるので、「ゴレンジャー」「ジャッカー」と「BFJ」以降の違いについて説明しておく。
 第15回特別企画展「仮面ライダー創世紀展」九月二十六日(日)まで。大入りというほどでもないが親子連れの姿が目立ち、決して閑散とはしていない。朝一番の萬画館より賑わっている。
 原作萬画「仮面ライダー」の雑誌連載第一回や、一文字隼人登場の「13人の仮面ライダー」等。勿論、筆者が「1号2号」の萬画を読むのも初めてである。
 後に我々の知る「仮面ライダー」となるヒーロー原案の絵や撮影台本等も展示されている。
 ここにも玩具等展示の一角がある、金網で守られている。
 東映LDジャケット等で活躍中の菅原芳人の原画も数多く並ぶ。「すがやみつる」の漫画「V3」は複製印刷物。
 常設入り口左手の原画が「佐武と市」になっている。劇中の商家や寺は現・蔵楽や安永寺がモデルになっているという噺、確かにそっくりだ。
 ライブラリーのノートにハングルでの記帳がある。
 生家にも再び足を運ぶ。やはり畳の部屋は落ち着く、実際訪問客にはこの生家は好評だそうだ。なじみの駐在の案内係の女性達と暫し雑談。とうとう「くりでん」廃止決定だ。
 十六時半頃、NHKアナウンサー松平定知来館。町内の他の場所での講演会の後に寄ったのだという。記念撮影に応じてもらう。身長は筆者と変わらない。「その時歴史が動いた」は筆者も毎週欠かさず見ている。
 十六時五十分頃に辞去。夕方頃に少しは雲が出るものの結局全く降雨無く、気分よく十八時過ぎに帰宅。

 ああ、もうこれで「マシンで石巻市に行く時は必ず前日か当日が大雨」というジンクスは払拭したと思いたいものだ。今までの反動の如き晴天の下を疾走。
 萬画館と比較してこちらの展示は玄人向けだ。テレ朝ライダーしか知らない人には退屈かも知れない。しかし「1号2号」「V3」の好きな人にとってはたまらないだろう。テレビと萬画、両面の展示。
 両館の展示の差別化は成功している。萬画館はシリーズの歴史を通観できるし、ふるさと記念館は「シリーズの原点」とは何かを考える絶好の手掛かりになると思う。
 「ぶっかけうどん」と「ざるそば」、蔵楽は和食の道を歩む。今後もこの路線で真っすぐに行け、幸運を祈る。
 海老喜の「登米そば」は、筆者が普段よく喰う「ジャスコの信州そば」や駅食堂(伯養軒)のよりも太く、独特の風味がある。「つゆ」は鰹だしがよく効いている。商品も店のたたずまいも気に入ったので、今後マシンで石巻市に行く時には店に立ち寄って買うようにしよう。このように人脈を広げて行く事こそ、石森プロジェクト訪問の楽しみだ。

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