「仮面ライダー555」を見てからマシンで出発、九時過ぎ。冬の間はマシンに乗っていないのでほぼ三ケ月振りのマシン出動である。近所で給油してから国道四号線に乗る。
晴天なれども少々風寒し、路傍の電光掲示板の示す気温は十度に達していない。久方振りの運転に心身を緊張させつつ国道を南下する。もう路面には全く氷雪は無いが、前沢町辺りの道路の両脇の山の北側斜面にはまだすこし雪が見える。
花泉町辺りから宮城ナンバーの消防車の後ろを走る、向こうは通常走行。暫く共に走り、三百四十二号線の宮石運輸の角で向こうも右折する時には「この消防車も記念館に行くのか」と思うが、カントリーエレベーターの少し手前辺りで向こうはまた右折してどこかに行く。どうして宮城県の消防車が日曜日の朝っぱらから花泉町にいたのだろう。
十時半頃に到着。何やらエントランスが騒がしい。
エントランスにて十時から紙相撲大会開催中。対象は町内小学生、多くの出場者達が土俵を囲んでいる。土俵は木や紙で屋形を組んで桟敷の観客や放送席まで作った立派な物、土俵に合わせた大きさの「江戸紙相撲狂會」の力士
とうとう龍騎のマスクが記念館に登場しないまま番組が終了して二ケ月が経つ。555のポスターが二枚貼られている。「ワンダーベビルくん」の情報は見当たらない、今度は「テレ東009」と違って間違いなく全国放送だからよかったね。
「墨汁一滴」にはバンダイのS.I.C.の「RX&ブラック」と「V3&ライダーマン」が置いてある。我が「帝國」でも度々触れている両世紀王のは早くもネットオークションで高値がついているようだ。「555」商品も人形等が入荷している。山内の著書等も何種類も売られている。
十一時から山内のサイン会。先立って町長から挨拶。それから山内の絵文字作品「
受付に友の会会員証を提示して来年度の会費を納めて更新。裏面の「2003」の上にシールを貼る。シール貼付で2010年まで使える会員証であるが会員証自体の耐久性や如何。
企画は第10回特別企画展「やまうちJOHJI
カナ文字やローマ字のみならずハングル文字、クメール文字、タイ文字を動物で表現する。カナ文字にその文字で始まる名前の動物を当てはめたり、全て猫で統一したりしてなかなか面白い。今回の入場券も動物絵文字が描かれている。動物の「あいうえお」は光村図書の小一国語教科書に採用されたそうだ。表音文字だけでなく漢字にも取り組んでいる、「夢」の字を様々に表現した作品の前で
形式としては原画だけでなく、版画やのれんもある。鑑賞していて実に楽しい。カナ文字やローマ字を解する人なら世代不問で楽しめるだろう。
先程の紙相撲土俵はエントランスから企画室内に移動される。
ショーケースの中には、かの有名な肉筆回覧同人誌「墨汁一滴」の実物や山内の著書、他人の著書の挿絵担当作、子供時代のノート等が収められている。
ミヤギテレビが取材に来ている。
一度出て蔵楽にて昼食。新品目、土日祝日限定の牛丼セット。牛丼に味噌汁、はっと、キムチがついた物。丼物まで揃えればもう立派な食堂である。牛丼うまい、キムチものすごく辛い。蔵では「3月のイベント」切り絵の世界展を開催中。石森在住の渡辺桂吾氏の作品。四月第三木曜日からは二階で「大石峯子押し花教室」開催だそうだ、単に食堂ではなく芸術作品展示、交流の場としても機能するのは大変結構。
常設のデジタルライブラリーの一番左の内容が入れ替わっている。
この日もまた遠方の常連客が何人も来ている。その常連客や正副館長と暖炉のそばで、図録の見本を参照しながら会話。筆者は松本零士と横山光輝の特別企画展を要望する。また、「メモリアルデー」のトークショーは過去二回で幼少時から上京時に話が及んだのだから、次はプロデビュー後の話で永井豪を呼ぶべしと提案する。今月開館した水木しげる記念館や、来月の「鉄腕アトムの誕生日」も話題になる。
また何度か企画に入り、山内とも展示作品について会話をする。彼はゴリラが好きだそうだ。そもそもゴリラやオランウータンは哲学的な顔をしている。
今日の買い物は「れんこんうどん」と菓子「
十四時頃に辞去。マシンを西に向け、石越町の田園地帯、三年前の開館初日の帰りに迷った辺りを走ってみる。しかしよく解らぬ。十五分ほど走ってからまた記念館まで戻り、そして帰途に就く。水沢帰着は十六時頃。
まだマシンでの遠出には少し早い、寒かった。
今回の特別企画展は話が急遽決まって準備期間があまり取れなかったそうなのだが、なかなか面白い展示であった。ただ、もう少し展示の構成に派手さがあってもいいとは思う。
本宮副館長によれば、紙相撲大会は今後夏、冬、春休み毎に開催したいとのこと。各小学校を相撲部屋に見立てて団体対抗戦にしても面白かろう。実に素朴で、この記念館にふさわしい遊びである。
「願人太鼓」は町内の「スイートショップおの」の商品。郷土芸能「小島願人踊」にちなむもので、包装の絵は章太郎によるもの。和菓子のような箱だが作りは洋菓子、焼き菓子だ。しつこくない程度に甘くて、日本茶にも紅茶にも合うと思う。
I use "ルビふりマクロ".