「石森章太郎ふるさと記念館」第十六回訪問記

平成十四年八月十七日(土)

 午前中はワーナー・マイカル・シネマズ北上で「ハリケンジャー」「龍騎」初日を見て、それから一度下宿に戻る。午前中は水沢市から北上市に掛けては雨、正午頃には止んでいるもののすっきりしない天気。記念館に電話して予定どおりの行事決行を確認してから十三時頃にマシンで出発。結局、午後からは降雨無く終日濡れずに済む。
 十四時半頃に到着。
 石森章太郎ふるさと記念館友の会夏祭り。場所は記念館東南側駐車場、主催は記念館友の会。涼しく曇天なれど既に多くの人々が参集して賑わっている。最終的に六百人超が集まる。こちらでは少しぱらついた程度で本降りにはなっていないという。
 会場内を歩く。現地のいろいろな人から声を掛けられる、この間増田町にバイクで来た人だね、毎回来てくれて表彰ものだ等と。
 十五時から開会。主催者挨拶。大石正光代議士は挨拶だけしてすぐ帰る、時期が時期だけにとりわけ多忙だろう。どうなる民主党代表選挙。
 第一部は地域の団体による演舞、演奏。
 石森打ち囃子、当地の伝統芸能。法被はっぴを着た幼児達が壇上で踊る。
 地元の若者達による「よさこいソーラン」。
 中田中吹奏楽演奏。「レッツゴー!! ライダーキック」「ルパン三世」等。
 和太鼓「みろく太鼓」。力強さよりは優雅さを感じさせる演奏。筆者は荒々しい打ち方の方が好きではある。
 登米高吹奏楽演奏。時代劇や演歌のメドレー等。後ろの方で一人で複数の楽器を担当する部員が楽器の間を駆けずり回るのが面白い。下手な口上は無い方がいい。
 ここまでで第一部終了、十七時。
 演奏を鑑賞する間も歩き回り、露店の食品を喰う。フランクフルトソーセージ、玉蒟蒻こんにゃく、蛸焼き、焼き鳥、ラムネ、フライドポテト、氷菓等。
 今日も着ぐるみのアンパンマン、ばいきんまん、ドキンが歩き回る。
 この日、やたら「アンコール」を連呼する本宮副館長。妙に元気である。
 文化庁の要請で記念館門前の009、その向かいの仮面ライダー、小野寺電気前の003は北京に出張中で、今は金属製の看板が代役を務めている。小野寺館長によれば帰って来るのは九月だという。モニュメント帰還後もこの看板、何か使い道が無いだろうか。
 0てんロボコンの近くのコスモ石油で給油。若い女性店員が筆者着用のHAKAIDERジャンパーに気付く。普段殆ど気付かれないのに意外な場所で解る人に出会う。学校近くのロボコンが0てんとは不吉だと前々から主張しているのに今もそのままだ。
 石森小学校の脇を通って石大神社の前にマシンを置き、参拝。人気ひとけの無い、静か過ぎる境内。ここが「龍神沼」の舞台のモデルになったというが沼は既に涸れている。社殿西側に二つの大きな漢文石碑が並び、その西側のは水沢市出身の後藤新平伯爵の撰。やはり水澤縣である。後藤伯爵に気を取られて誰の記念碑だったか書き留めるのを忘れてしまったわい。
 石森の表小路から記念館の東側を回ってまた北側駐車場に停める。
 茶屋で食事、幸朗氏自らの調理する「きのこピラフ」を食す。バターの風味ときのこの歯応えが実に結構。
 会場をぶらぶらと歩き回り、また企画の「アンパンマン展」を見る。
 館女子職員の浴衣姿が実によい。萬画館のアテンダントよりずっと色気があって且つ上品でいいぞ!
 十八時から第二部。
 またも「よさこいソーラン」。地元の子供達とその親が演じる。それにしてもソーラン節とは漁業の歌だろうに、この内陸の中田町で聞くと違和感を禁じ得ない。出演者の中には海を見たことの無い人もいたりして。
 加賀野の盆踊り。
 そして祭りの目玉、「よさこいライダーバージョン」。「レッツゴー!! ライダーキック」に合わせてよさこいを踊るというもの。曲自体はメロオケ使用。舞踊家・熊谷たかよなる人物の振り付けで鳴子を持って踊る。
 筆者は踊らぬ。櫓に上ってばちをふるう、これが本当の暗黒太鼓。
 一時間くらいは「よさこい」が続くように思う。壇の上や下で踊る人々。地元少年野球団・石森ライダーズや友の会の佐藤会長も壇上で踊る。
 確か二十時半頃か、お楽しみ抽選会(「抽選」はプログラム記載のまま)。日中に会場で配布済みの券に番号が振られており、壇上で友の会の人達が抽せんして番号を読み上げる。但し、当たってもその場で本人がすぐ名乗り出て取りに行かないと失格。
 記念館グッズの他、五木ひろしショーの券や林檎の木のオーナー権も当たる。
 問題はゲーム機のX‐BOX。二回の抽籖でも当籤者が現れず、進行役が当該番号のパス(失格)を宣告する度に拍手が起きる。三回目で当籤者登場、会場に流れる落胆の声。当籤者が品物を受け取ると一部の複数の親子が「譲れ!」連呼を始める。二、三回で止みはしたが、他人が正当に当てた権利を放棄させようとは、石森には諦めの悪い、図々しい親子がいるものだ。冗談にしてもあまりにも悪趣味。その手の連中はきっと「我々は哀れな庶民」「金持ちは皆悪者」とでも思っているに違いない、「武士は喰わねど高楊枝」という精神も知るまい。情けない貧乏根性、ああ、ヤだヤだ。尚、筆者は何も当たらず。
 全般的にプログラムより十分ほど早く進み、二十一時を少し過ぎる辺りで閉演。会場ではさっさと撤去作業が始まる。館長と幸朗氏に挨拶をしてから辞去。

 町内夏祭りの類に参加したのは小学生時分以来、普段は市内や町内のにも参加しない。半日うろうろ歩き回って多少疲れたが面白かった。
 「よさこいライダーバージョン」。五月の友の会総会で言われていた「盆踊り仮面ライダー」がこれになったのだろう、振り付けはともかく音楽自体は「既製品」だったのが多少物足りない。邦楽の笛や太鼓で演奏するものと思っていた。
 茶屋のメニューにはいよいよ御飯物が揃って来て実に嬉しい限り、やはりポケットピザ程度ではおやつにはなっても食事たりえない。他にもエビピラフやドライカレーも楽しみだ。改めて、酒類以外の全メニューの征服を目指す。相変わらず記念館近辺には食堂等は無いので、茶屋の存在は貴重である。

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