「石森章太郎ふるさと記念館」第百二十三回訪問記

平成三十年四月二十一日(土)

 七時四十分頃にマシンで出発。いつもの道程、終日好天である。
 伊勢岡神明社境内の桜はだいぶ散って葉桜に移行しつつある。
 九時頃の記念館着。
 顔見知りが何人も集まっている。元館長達も見掛ける。新年度から新館長に交代。石森プロやスピーチ・バルーンの関係者も来ている。
 十五分からオープニングセレモニー。第58回特別企画展「仮面ノ世界‐仮面ライダー写真展‐」この日から七月八日(日)まで。大島康嗣の作品の展示。
 市長と、市議会議長代理として副議長から挨拶。
 既に新年度会費は送金済みなので友の会会員証の裏にシールを受ける。
 今回もコーヒーがふるまわれる。もし館の女子職員に「まずい。下がれ小娘」と言ったら彼女が喜ぶのかそれとも悲しむのかは知らない。
 企画に入室する。基本的に第一作から「ビルド」までの映像作品の写真のみの展示で、撮影に使用された資材や市販商品の類は一切無い。「エグゼイド」と「ビルド」のみ東映提供の写真。順路の最後の旧1号とビルドの立像は撮影可である。
 早速「クウガ」と「アギト」の取り違えがあり、筆者の前に誰かが気付いたのか、館職員が脚立を持って来て貼り替える。
 映像作品毎の展示で、1号と2号、V3とライダーマンは「仮面ライダー」と「仮面ライダーV3」で一まとめ。各映像作品の概要についての説明文があるのみで、写真一点毎の説明文は無い。また、作品毎の写真の点数は不揃いで、第一作は一番奥の壁一面を使って数多く展示されているが、中には写真が一点だけの作品もある。
 一点だけとは「BLACK」。展示されているのは力尽きたシャドームーンを抱きかかえる光太郎、即ち「RX」#37である。同一作品と誤解される事がある「BLACK」「RX」だがまさか原作者の地元でこれ。登場人物或いは俳優ではなく映像作品毎の展示である以上、明白な誤りである。
 いつもまず全体に目を通した後に一度企画を退室して、エントランスで館職員や他の客との会話や、観光資料等の情報収集をしてからまた細かい点を見に入室すると言うのが筆者のふるさと記念館での鑑賞法。
 観客は殺到と言うほどではないが切れ目なく入っている。家族連れ多し。中には母親と女児、女性だけの集団もある。展示写真には特に統一感は無く、また変身前の俳優の写真があるのと無いのがある。近年不祥事が報じられた俳優の写真にぼかしが入れられたりと言う事は無く、沖一也も普通に展示されている。
 「ZO」の写真は三点、「J」は十一点。「J」の中に「ZO」の写真が三点混入している。両者はよく似ているので間違われる事は多々ある。また、「V3」の区画にある「8人ライダーVS銀河王」は「スカイライダー(新)」の劇場版である。館職員を呼び出して指摘して、正午頃に辞去。登米市歴史博物館の仙北鐡道展を見て十三時半頃に帰途に就いて十五時頃に帰宅。

 写真のみの展示でも写真自体に統一感が無いのが却って平面的になるのを回避している。個々の写真の説明が無いのは不親切だが、それだけに見に来た人同士で「この写真はあの場面」等と話し合う事は出来る。説明が無いのは寧ろ展示側の失態につながった。「原作者の地元」で写真の数々の間違い。チラシには「企画監修◇石森プロ・東映」とあるがあてにならないものだ。
 「BLACK」三十周年の年に「RX」との混同発生。たった一点の「BLACK」写真が他の作品では洒落にならない。
 筆者とてシリーズ全作品に精通しているわけではないので、比較的得意な吉川ライダー中心にいろいろ指摘したが、詳しい人が見れば他にも誤りはあるかも知れない。
 指摘事項がきちんと修正されたかどうかまた見に行くつもり。最近、インターネット上では「警察」と言う隠語があるが、石森両館にとって筆者は恐怖の公開処刑執行人。

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