「石森章太郎ふるさと記念館」第十二回訪問記

平成十四年一月二十七日(日)

 この日も九時十二分発、石越着は十時八分。水沢を出る時も既に雪だがこちらも雨。駅前に待機の若柳中央タクシーで記念館に向かう。相変わらず石森小学校前のロボコンは「0てん」である。
 やはりまず茶屋に行って飲み物一杯。
 当日は「章太郎メモリアルデー」と題して各種催し物を開催。章太郎の誕生日や命日がこの日に近い。ついでながら「仮面ライダーアギト」の最終回放送日でもある。
 本館エントランスには既に午後のトークショーの客席が準備されている。
 生家にも顔を出してみる。
 記念館隣の旧石森幼稚園の建物の中では餅きを始めている。「果報餅」当地の風習。搗いた餅に短く切った小枝等を入れておいて、その「当たり」が出た人はその小枝等を神棚に供えておくとそれが金品に変わる、という言い伝えがある。近所の人達が搗き方、調理をしている。
 筆者も餅を喰らう。餡の餅と納豆の餅。搗きたて、実にうまい。今まで特に餅が好きだったというわけでもない筆者、今回はあまりのうまさに感激する。餅とは斯くもうまいものだったのか。やはり搗きたてならではのうまさならん。
 その「果報餅」に筆者も当たる、引換券をもらう。
 また、地元の店がかけ蕎麦や弁当も出している。かけ蕎麦一つ買って喰らう。
 中田町の三浦町長や近所の大石正光代議士(民主党)も来場、餅を賞味。町長が子供の頃の正月の思い出等を語る。今にして思えば大石代議士に「巨泉はどうなる」とでも訊けばよかったな。
 奥の方では親子工作教室。凧と空気鉄砲。何分にも外は大雨の為、作るだけで凧揚げができないのは残念。完成品の鉄砲を手にした子供達が駆け回る。工作の材料の竹を切って穴を空け、独自に笛作りに挑戦しているお父っつぁんもいる。
 十二時半から本館エントランスでトークショー「石森章太郎の少年時代」。出演者は小野寺館長、記念館友の会会長、章太郎の恩師、章太郎の同級生。
 開会に先立って町長が挨拶。また、大石代議士と町教育長が紹介される。
 聴衆は小学生から大人まで。各種行事の参加者の年齢層に偏りの無いのがこの記念館の特色。何度も書いているが、決してマニアの殿堂、オタクの巣窟には堕していないのだ。
 中学生時代の噺が主。館長は章太郎が家で勉強をしているのを見たことが無いと言うが、恩師(美術部)によれば学校の成績は優秀だったという。美術の授業のプリントにびっしりと萬画を書いていたというのはありそうな噺だ。
 友の会会長著「少年石森章太郎と子どもたち」が配られる。少年時代の章太郎と近所の仲間の子供達の思い出。A4の紙に両面印刷をして綴じたもの。これにも数多くの挿話が収録されている。萬画だけの専門馬鹿ではなく、万能であったことが窺われる。
 最後にゲーム等をして、十三時半過ぎに終了。
 先程の「果報餅」当たり引換券を賞品に換える。
 聴衆の近所のお父っつぁんに声をかけられる、よく来る人だねと。我が水沢市の競馬場は当地でも有名、多くの人が当地からも行っているそうな。賭け事は嫌いな筆者は我が市が競馬場で有名というのはあまりいい気はしない。他に有名というとやはり政治家多数輩出だろうか。天文台を挙げる人は通だな。
 今回の買い物は梅干しとサブレ。本館展示室には入らず。
 十四時頃に若柳中央タクシーを呼んで駅に向かう、途中雨がみぞれになってくる。十五時十二分の下りで帰途に就く。

 今回も実に地元ならではの行事を楽しめた。石森地区の風習と、章太郎の少年時代の秘話。餅が本当においしかった。ただ、凧揚げができなかったのは本当に残念。
 「メモリアルデー」はこれからも毎年開催して欲しい。来年こそは凧揚げができるように!

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