「石森章太郎ふるさと記念館」第百十三回訪問記

平成二十八年十月二十二日(土)

 特別企画展の会期初日が萬画館と重なって思案するがまずふるさと記念館だけ行く事にする。そろそろマシンでの遠出には寒いし、公共交通機関利用で一日に両館を回るのは不便である。
 八時過ぎにマシンで出発、晴れてはいるが少し寒い。九時半頃に現地着。開館は九時半からで、開会式が終わったところと見受けられる。紙コップのコーヒーを振る舞われるが、ここでも萬画館でも、筆者に砂糖やミルクの要不要を尋ねているうちはまだ素人である。コーヒーと仮面ライダーはBLACK。
 布施市長に挨拶。常設で展示設備、技法について熱く語る市長。今、噂の東京オリンピックについて敢えて話題提起してみる。筆者の知っている岩手県内の記念館施設で、国体出場のついでに来たと言う人もいたそうだから、オリンピックをきっかけにふるさと記念館にも世界中の人が来れば喜ばしいが、さてどうなる長沼ボート場。予算の金額も二転三転でわけが分からぬ。
 館の人達とも会話。女性達も今回の企画展にはなじみがあるらしい。
 第54回特別企画展開催決定「世界名作劇場展」この日からから来年一月二十二日(日)まで。
 嘗てはフジテレビで、その後BSフジで放送された日本アニメーションの作品群。九年前、萬画館での特別企画展ではズイヨーは対象外の旨の断り書きがあったが、今回は無い。萬画館開催の後に放送された作品もあるBSフジの三本も今回は紹介されている。また、松竹映画二本は今回も紹介無しで、「天才バカヴォン 甦るフランダースの犬」についても全く言及無し。
 エントランスにアンのジオラマとDVD上映。企画室内はパネル展示、フランダースとラスカルそれぞれのジオラマ、順不同でペリーヌ、ラスカル、三千里、フランダース集合のジオラマ、台本や設定画、御当地ラスカル人形、全作品DVDジャケット展示等。フランダースとラスカルのジオラマの脇にはこちらもDVD上映。御当地ラスカルは萬画館でも見た。作品の舞台の地図を見ると欧米に集中している。
 ラスカルの粗筋紹介のパネルの順番の間違いに気付いて通報。初日は権利元の関係者も来ていたようで、彼等の確認の下、入れ替える。
 玩具や絵本等の市販商品の展示は無い。
 あまり混んではいない。
 石森両館の混同事例は十年以上前からいろいろ聞いてはいるが、今まで自身が現地で目撃した事は無かった。この日、或る客が受付で何かの冊子を見せて「これを見に来たのですが」と言うと「それは石巻です」。
 郵便局のフレーム切手仮面ライダー45周年記念が話題に上る。筆者は既に注文済み。商品のチラシを見る限りの不審点、切手本体にはBLACKがいるのに集合写真等にはRXのみでBLACKがいない。ディケイド以降、BLACKとRXは別人と言う事になっており、それ以前にBLACKとRXは別作品である。RXがBLACKを兼ねる事は出来ない。
 たばごやで握り飯と味噌汁のセットとスパゲティナポリタン。
 本館でまた企画を見る。やはり得意の三千里とラスカルは語り出すと止まらない。両作品共、主人公の父親が金銭問題で家族に迷惑をかけている。
 館の女性達も知っていた「ラスカルととうもろこし」問題。現代日本で問題化しているあらいぐま被害について、既に作品中で予言されていた。そして彼女達と語り合うが、スターリングとラスカルは理想的な別離だと思う。一人が筆者にディズニー作品は見ているかと問うので海底二万哩、トロン、アトランティス失われた帝国を答えるが通じない。
 フランダースのDVDで悪徳金物屋の場面が流れている。雑誌宇宙船によれば、演じた飯塚昭三師匠は自宅で息子と一緒に番組を見ていて、金物屋の悪徳振りに「お父さんが悪い!」と息子にひっぱたかれたという。
 LDを持っていても、DVDで名場面が流れるとやはり見入ってしまう。昔のフジテレビのアニメ最終回特集で三千里も紹介されていたが、三千里で本当に大事なのは最終回の一つ前。最終回は世話になった人達に挨拶をしながらの平穏な旅である。
 物販は文具、小物、人形、殆どラスカル。
 十四時半頃に辞去し、帰りも天気には恵まれて十六時前には帰宅。

 萬画館のラスカル展が九年前なので問題にすべきではないとは思うが、展示内容の重複は特に気にならなかった。御当地ラスカルの一体ずつまでは記憶していない。シリーズを見て育った母親が子供を連れて見に行くのには最適だろう。
 ラスカル以外の商品も販売して欲しい。

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