#25「爆走する武装メカ」

昭和六十三年三月二十七日放送 脚本・山崎久 監督・小笠原猛
登場怪人・カマキリ怪人

粗筋

 大神官達はロードセクターに対抗する超マシン、デスランナーを完成させるも実験失敗。その失敗を受けて今度は剣聖が超マシン製作に着手。剣聖はカマキリ怪人を使って大門博士(ロードセクター製作者)の弟子の江上を脅迫、新たなる超マシン、ヘルシューターを製作させる。
 江上は密かに発信機を製作、SOSを発する。ロードセクターがSOSを受信、BLACK出動。幽閉の江上一家がカマキリ怪人に処刑される直前にBLACK到着、BLACKは一家を逃がしてカマキリ怪人を斃す。
 BLACK、ロードセクターと剣聖、ヘルシューターの超高速の一騎打ち。BLACKはロードセクターのRSコンピューターでヘルシューターを狂わせ、剣聖がヘルシューターを乗り捨てたところでヘルシューターにライダーキック。ヘルシューターは爆発炎上。

暗黒大公曰く

 LD第四巻の帯にも特筆され、確かに第四巻の目玉でもある今回だが、何故かジャケットには一切ヘルシューターの写真が無い。テストロイドとデスランナーの写真はある。
 #7と酷似した副題だが、執筆者は別。もし「爆笑する武装メカ」だったらどうなっただろうか。
 デスランナー、ヘルシューターという名称は台詞には出て来ず、前者は超マシン、後者は武装マシン等と呼ばれている。「時速八百キロ」は予告のみに出て来る言葉。実験運転手ロボットのテストロイドだけは劇中でそう呼ばれている。
 冒頭のロードセクター訓練場面の曲がM21「バトルホッパー」だもの、やはりとんちんかんな選曲。
 以前バトルホッパーの奪取に失敗した剣聖、今度は新型ロードセクターを入手。自身は光球になって飛行できるのだから必ずしもバイクは要らないはずだが、やはりBLACKに対する対抗意識からどうしても欲しいのだろう。LD第四巻辺りの剣聖はゴルゴムの一員としてよりもただ個人として打倒BLACKを考えているように見える。
 設計の出来とマシン製作の技術は違う。同一の設計図から三神官は自前でデスランナーを作ったのに対して剣聖は故・大門博士の弟子を脅迫して作らせるというのが何とも剣聖らしいが、しかし剣聖の方が合理的である。
 ロードセクターで壁を破って牢内に突入するBLACK、中の江上一家の安全を考慮したのか? その江上はBLACKを見て「あなたは?」とはよほど世事に疎いと見える、多分専門馬鹿。この場面の「BLACK ACTION」は例によってゴルゴム部分削除使用である。
 ヘルシューター。アタックシールドは無いものの、漆黒の車体にミサイル砲やレーザー砲を備え、ロードセクターと互角の性能を持つという。そのマシンを乗りこなしたのだからやはり剣聖は偉い、せっかくマシンを入手しても乗りこなせなければ、大門親子同様宝の持ち腐れである。
 超マシン同士の対決、実に迫力がある。単にフィルムの早回しみたいな場面が多いが、それだけでも風を切って戦う超高速の戦いのすさまじさが出ている。そしてこの場面の選曲は絶妙である。
 BLACKがヘルシューターを狂わせた仕組みがよく解らない。ロードセクター、ヘルシューター共に同型のRSコンピューターを積んでいるからということだが、どうもピンと来ない。妨害電波のようなものだろうか。いずれにせよ捨て身の作戦で、場合によってはロードセクターも同じ運命をたどったかも知れぬのだ。
 怪人並にライダーキックを受けて、今回だけの登場で消えてしまったヘルシューター、実にもったいない。実は当時、今後の剣聖は毎回ヘルシューターで登場してBLACKと壮絶なバイク戦を繰り広げるものと思って喜んだのだが、すぐ壊されてしまったので非常に落胆した。もしヘルシューターがレギュラー化していたら剣聖の存在感もだいぶ変わっただろうと思う。炎上するマシンを見て残念そうな顔をする剣聖、筆者もまた同感。その炎上するマシンの場面が妙に長い、じっくりと見せる。しかしながらただ一回だけでも剣聖は自分のマシンを持てたのだ、対するシャドームーンは後々バトルホッパーに少し乗ってやはり振り落とされたのみで、「RX」や「仮面ライダーワールド」に至っても専用マシンは持てなかった。
 オープニングクレジットは剣聖登場でまた男性大神官が「大神宮」になってしまう。

クレジット

オープニング

仮面ライダーBLACK         吉川 進         堀 長文          (東映) プロデューサー         井口 亮         山田尚良         (毎日放送) 原作 石森章太郎    少年サンデー    てれびくん 連載 コロコロコミック    小学館学習雑誌    テレビランド 脚本 山崎 久 音楽 川村栄二     主題歌 「仮面ライダー  「LONG LONG AGO, ・   BLACK」  20TH CENTURY」   作詩 阿木燿子   作曲 宇崎竜童   編曲 川村栄二   歌 倉田てつを 歌 坂井紀雄     (コロムビアレコードCK‐797) 南 光太郎 仮面ライダーBLACK  倉田てつを 秋月杏子  井上明美 紀田克美  田口あゆみ 藤木聖子 塙 紀子 児玉頼信 岡元次郎 北村隆幸 山本貴浩 末永貴久 渡辺 実 (ジャパン・アクション・クラブ) アクション監督  金田 治  村上 潤   (ジャパン・アクション・クラブ)
ナレーター 小林清志 ダロムの声 飯塚昭三 大神宮ダロム  庄司浩和 大神宮バラオム  高橋利道 剣聖ビルゲニア  吉田 淳 大神官ビシュム  好井ひとみ 小野信也 監督  小笠原 猛

エンディング

撮 影 松村文雄 照 明 中川勇雄 美 術 井上 明 イラスト 野口 竜 プロデューサー補 高寺成紀 録 音 太田克己 編 集 菅野順吉 選 曲 茶畑三男 効 果 大泉音映
製作担当 寺崎英世 進行主任 竹内洪太 助監督 蓑輪雅夫 計 測 岡部正治 記 録 富田幸子 製作デスク 岩永恭一郎 装 置 東映美術センター 操 演 国米修市 美 粧 サン・メイク 衣 裳 東京衣裳 装 飾 大晃商会 資料担当 小佐野 聡      (石森プロ) キャラクター製作 レインボー造型企画          前澤 範 合 成 チャンネル16 現 像 東映化学 オートバイ協力   S SUZUKI
ビデオ合成 東通ECGシステム   峰沢和夫 近藤弘志   前岡良徹 鈴木康夫 (株)特撮研究所 操 演 鈴木 昶     尾上克郎 撮 影 高橋政千 照 明 加藤純弘 美 術 佛田 洋 特撮監督  矢島信男     △東映 製 作     毎日放送

使用音楽一覧
場面番号または歌曲名音楽メニュー
ロードセクターM21バトルホッパー
副題M48b別サブタイトル
ゴルゴムの超マシンM24策謀
試験走行V8絶体絶命!
江上を狙う剣聖M5怪人の足音
江上技師M24コーダのみ策謀
背後の気配V9T2
カマキリ怪人の襲撃M15怪人出現
江上の妻子を襲う剣聖ME2b
駆けつける光太郎M6悪魔の追撃
変身「変身! ライダーブラック」
イントロとコーダのみ
プレッシャーウェイブM45T2怪人出撃
ロードセクター、形勢逆転V0ヒーロー登場
病院M8闇の視線
光太郎の推理V7BRASSヌキ
カマキリ怪人の襲撃M34(uptempo)迫りくる怪人
開く扉V8コーダのみ絶体絶命!
囚われの妻子M45T2コーダのみ
親子の対面M22大いなる悪の力
超マシン製作中M3張りつめる空気
牢内の江上一家M25
SOS信号M6悪魔の追撃
超マシン完成M23毒牙!
江上一家処分寸前M43
ロードセクター突入「BLACK ACTION」
超高速の対決V1変身!
スパークリングアタック失敗M2シティ・チェイス
コンピュータ妨害「仮面ライダーBLACK」
超マシン炎上M9凱歌
キャピトラにて「仮面ライダーBLACK〜星のララバイ〜」
インストゥルメンタル
走る光太郎「ブラックホール・メッセージ」
イントロとコーダのみ
一覧に戻る

次回