その二 ゴルゴム組織論

 各種市販資料にはゴルゴムの組織図が掲載されているが、資料によって細部に違いがある。また、BLACKとの戦いに際してゴルゴムは体制に変更を加えている。固より明確な規則等に基づいた組織を持たぬゴルゴムではあるが、その組織の仕組みと変遷を考えてみる。
 尚、ブラックサンはゴルゴムの一員としての活動経験は全く無く、#1での連れ戻し失敗の後はゴルゴムは彼を二度と「御子」とは呼ばずに一貫して敵視していたので、ゴルゴム組織図にブラックサンを入れるのは不適当と判断して、除外した。

図一

創世王

大神官

怪人、人間構成員

 怪人は人間構成員よりも格は上だが、番組内では怪人単独、或いは怪人と人間構成員の共同作戦が主で、時には大神官がその上に立って指揮を執ることもあるようだ。ノミ怪人やセミ怪人の例を見ると、怪人の特性を活かして人間構成員が主体的に作戦を遂行している。
 番組内では世紀王の一人が脱走、敵に回るという非常事態が発生した。当初は図一の体制で対応していたゴルゴムだが、創世王は剣聖ビルゲニアの召還を命じる。剣聖活躍期間中の組織図は図二。

図二

創世王
/ \
大神官 剣聖
|   |
怪人、人間構成員

 剣聖と大神官の上下関係、言葉遣いからすれば大神官達の方が目上らしい。ゴルゴムの執行部は大神官であるが、剣聖がかなり勝手な行動を取れているところを見ると、大神官は剣聖に対する指揮権は持っていないようだ。剣聖は創世王直属であると考えられるが、劇場版第一作では、創世王は剣聖に直接ではなくてダロムを通じて謹慎処分を言い渡しているので、この辺り若干不明確ではある。また、剣聖は一般怪人に対する指揮権もあるようだ。
 そしてシャドームーン復活。まず用済みの剣聖が消される。また、石の供出によって大神官は大怪人に転換。シャドームーンが主体的にゴルゴムの指揮を執るようになる。そこで図三。

図三

創世王

シャドームーン
/\
侍女怪人 大怪人
     |
    怪人、人間構成員

 この図三の体制こそゴルゴムの対ブラックサン臨戦非常体制であろう。シャドームーンが次期創世王として世紀王のままゴルゴムのほぼ全権を掌握。必ずしも創世王の指示の取り次ぎ役ではない(時にシャドームーンは創世王の言い分を退けている)。普段の執行権が大神官から、部分的ではあるが最高意志決定権が創世王から移ったような格好である。侍女怪人は本当にシャドームーンの脇に侍っているだけで、その様子からは他者への指揮権は見受けられない。
 天、海、地の石の消滅という物理的な理由と、シャドームーンによる全権掌握という政治的な理由により大神官職は消滅。そして大怪人達は筆頭怪人として実動部隊入り、ということのようだ。
 もしシャドームーンがBLACKを斃してめでたく次期創世王になっても、ゴルゴムは図一の体制には戻らなかったであろう。既に大神官職は消滅しており、シャドームーンが一度握った全権を委譲すべき大幹部が見当たらない。また、両世紀王による王位争奪制が今回のゴルゴムの危機の原因の一つとも考えられるので、シャドームーンを高祖とする世襲王朝が開かれたのではないかと考えられる。
 以上が、ゴルゴム組織についての筆者の考察である。

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