「石森萬画館」第百二十一回訪問記

平成三十年十月二十日(土)

 石巻マンガロードに久方振りのモニュメント追加、そのお披露目式の一日。
 八時二十六分東北本線水沢発。五十分一ノ関着、九時発の小牛田行に乗る。四十七分小牛田着、五十二分発の仙台行に乗り換えて十時十九分塩釜着。三十五分発の仙石東北ラインに乗って十一時十七分石巻着。片道三時間弱で乗り換え回数も一回多いが、一回毎の接続待ち時間は十六分程度で短い。
 石巻市晴れ。
 八幡家の入り口が開いているので中に入り、紀代子女将達に「(開店時刻の)正午過ぎに来るからいつものかば焼き定食と茶碗蒸しをすぐ出せるように準備せよ」と指示する。
 萬画館に入り、映像ホール受付の前に行く。この日の劇団 球の参加整理券は十二時から配布の予定なのに、正午になっても始まらない。筆者以外にも集まっている人達がいるので、五分頃に意を決して墨汁一滴のレジに「担当が違うかも知れないが」と前置きして券配布の事を照会すると、やがて事務室から他の「まんぼう」従業員がのこのこと現れる。「八幡家に予約を入れているのだから早くしろ」と苦情を述べつつ券を受領して八幡家に走る。
 八幡家では食事のついでに、「まんぼう」取締役でもある紀代子女将にも苦情を申し立てる。
 萬画館の正面ではモニュメントお披露目式の準備中。像には白い布がかけられ、また来賓用の椅子が並べられている。参集した野次馬は二十人ほどか、よく見る顔が多い。
 十三時のからくり時計の後に式典。司会は萬画館の003アテンダント。石巻の亀山市長、萬画館の西條社長、田口萌、地元の郵便局長二人、先頃ヤフオク!で一日館長権を落札した人が着席し、また海斗も駆け付ける。
 各人の挨拶の後、「BLACK」主題歌シングルバージョンと共に除幕。出現するのは萬画版Blackと、ポストの上に再設置される仮面ライダーとロボコン。田口と海斗がBlackと並んで写真撮影に応じる。いい具合に風が吹いて田口の髪がなびく。
 十四時十分から館内で球の公演。いつもどおり芝居あり、歌あり、笑いあり。
 田口と会話、記念撮影をしてから十五時過ぎに別れる。
 屋外での式典の後、像は一旦館内、正面から入ってすぐのスロープの手前に置かれる。真上からや、その他様々な角度から写真を撮る。
 十六時二十九分の小牛田行きに乗り、十七時六分着。三十一分待ちで三十七分発、十八時二十四分一ノ関着。四十分発、水沢には十九時三分着。

 参加整理券配布の件は筆者一人の問題ではない、何人もが迷惑したので敢えて記した。もしあのまま皆が黙っていたらどうなっていたのか。
 Black像建立については特撮BLACKと萬画Blackを混同している新聞記事が目立った。像自体についてもネット上で様々な意見がある。特撮版でない事を残念がる人、萬画版とはさすが原作者の地元と感心する人、何か勘違いしてトンチンカンな事を言っている人。筆者はあくまで特撮BLACKの愛好家だが、今回の萬画版の設置については素直に喜んでいる。式典に田口が参列して倉田の歌も流して、特撮と無関係でもない。筆者個人としては勝手に、BLACK三十周年記念と捉えておく。バッタ男に見えない事も無い。いつも駅から萬画館に向かう道筋であるから、これから何度も見掛けるだろう。筆者にとって石巻マンガランドが庭も同然なら、マンガロードのモニュメントは庭石同然。
 BLACK三十周年記念年間の各種企画については田口萌の奮闘を特筆せねばなるまい。これからも活動して欲しい。

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