「石森章太郎ふるさと記念館」第四十三回訪問記

平成十九年五月五日(土)

 大型連休中にまた見に行こうと考えていて、こどもの日に決行。
 マシン修理中にて鉄道利用。七時六分水沢発、一ノ関で二十九分間の待ち時間を経て八時二十二分石越着。晴れ。
 三月末を以て廃止された「くりはら田園鉄道」、駅舎は施錠されて廃止の旨の貼り紙がしてある。相変わらずホームは勝手に出入りできる状態。廃止後間も無い鉄道施設を見る機会も滅多に無い。もうこの線路の上を車両が走る事は無い。
 市民バスの駅前バス停の時刻表を覆い隠すように「くりでん」代替バスの時刻表が貼ってある。まるで市民バスが廃止されたかのように見える。
 九時十九分、市民バスが来る。既にこの時点で先客が三人ほど乗っていて、駅前から筆者一人、そして割山からも数名乗車。これほど乗れば大入りだろう。
 記念館前で下車。
 生家。今日も小野寺おっかさん駐在、そして弘幸氏も顔を出す。氏と会うのも久方振り。
 暫く生家で過ごす。十時半頃、俄かに幼児を連れた家族客が大勢入ってくる。後述の催し物まで少し間があるのである。
 十一少し前、本館に向かう。連休中の企画、ウルトラヒーロー握手会。五月三日から六日まで、十一時、十三時半、十五時の三回。各回先着百組限定、整理券配布。司会は館の只野氏、行列の最後尾の案内は本宮館長。ヒーローショーと言えば「司会のお姉さん」だが「ウルトラマンショーの司会のおじさん」とは珍しい。
 催し物会社のスタッフと共に事務室から電飾で目を光らせた初代ウルトラマン登場。スタッフが「ウルトラマンと握手をしよう」等と言って来場者とウルトラマンを並ばせ、順番に記念写真を撮影。館のエントランスからはみ出して北側に行列が伸びて大混雑だが、決して混乱はしていない。百組を捌くのに三十分では足りない、一時間近く掛かる。列に並んでいるのは当然ながら殆ど子供連れの家族客である。斯かる企画は子供の為だと思うので筆者は並ばぬ。ふるさと記念館には子供を押しのけて自分だけ楽しもうとするような大人はいない。
 企画に入る。ジョーニアスとUSA三人組の戦っている相手怪獣に名前表示がなされる。ジョーニアスはファイバス(ティガ)、USAの相手はキングザウルスIII世(帰)。ウルトラマンと怪獣のこれらの組み合わせもまたアンバランスゾーンである。ジョーニアスの鼻の形がおかしい。
 改めて漫画原画に見入り、その台詞も味わってみる。内山「T」で、怪獣ムルロアの為に父親を失った太一少年にT曰く「男の子はないてはいけない」。斯かる台詞を変身ヒーロー番組で聞くことも今は珍しい、T「教官」の弟子のメビウス自身が泣き虫だった。南光太郎ならば言いそうな台詞だが、五代雄介や響鬼さんなら「男の子だって泣きたい時は泣いていいんだよ」とでも言うだろう。そして野上良太郎もテメエ自身が泣き言ばかり。
 萬画館の「ジャッカー電撃隊」や「真」の展示に対しては「何これ知らない」と言う反応の客が多いが、今回観察してみるとジョーニアスやUSAを不審がる客は見掛けない。ただ問題は、ウルトラウーマンベスを「ネックレスを着けたウルトラの母」と言っている客が間々ままいると言うことだ。
 何故か、既に放送が終わったNHK「怪奇大作戦セカンドファイル」のリーフレットが何枚も置いてある。筆者は番組を見た。
 蔵楽。そば。こちらも大入り。
 午後の二回の握手会も大盛況。エントランスはその度にごった返して阿鼻叫喚、地獄絵図と化す。
 この日も何度も本館、蔵楽、生家に出入りする。どの部署も客多し。蔵楽では他にハンバーグカレーと油麩うどんを食す。
 そろそろ常設の原画を入れ替えてもいいのではないか、「チョビン」は飽きた。
 常設入口の右脇に置いてある高さ二メートル程のウルトラマン像、よく見ると塗装しなおした形跡があり、また鍵穴や取り出し口(塞いである)らしき部分も見えるのでこれも昔のカプセル玩具自販機か。
 伊勢岡神明社まで足を延ばして参拝。案内板の説明文の誤記を見付ける。
 今回の企画は何巡見ても全く飽きぬ。「ザ☆」と「USA」の展示は全く筆者好み。そして上映LD「ウルトラマンVS仮面ライダー」の「スーパーバトル」の選曲がまた凝っている、「初代マン」「1号2号」からではなく「ザ☆」「80」「G」「BLACK」からの流用。実はこのLD自体が「ザ☆」を仲間外れにしている一例なのだが、音楽は使っている。
 十六時半頃、手配の自動車で石越駅に向かう。十七時十六分の下りに乗って十八時半頃に帰宅。

 ウルトラマン見て、うまい飯喰って、言うこと無いこどもの日。
 今まで「ふるさと記念館で一番人気のヒーローはアンパンマン」と言っていたが、初代ウルトラマンも負けず劣らず大人気。改めて「不滅のヒーロー」だと思う。
 今回の企画展は毎月見に行きたいくらいだ。

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