その十七 第十九回カシオペア映画祭見物記

平成二十七年九月二十六日(土)

 今回のゲストは京本政樹。宮城県訪問記に登場する盛岡組二人と共に見物する事にする。
 八時二十二分水沢発、九時二十七分盛岡着。九時台では、駅内で開いている飲食店はまだ少ない。二階の店でライスカレーを喰らう。
 IGRに乗り換えて十時二十分発。そして十一時二十二分一戸着。
 駅舎内にコンビニのミニストップが、今年八月二十一日に開店している。六時から二十二時までの営業、田舎にはよくある二十四時間営業ではないコンビニエンスストア。
 外に出ると小雨。傘を買うべくミニストップに入るとここで盛岡組と合流する。彼等の自動車に便乗して会場の萬代舘に向かう。
 上映は十三時から、開場もまだだが既に多くの見物客が入り口の前にいる。やはり女性客の割合が高いように思われる。兵庫県から来た人もいる。
 やがて開場。例によって京本出演作品のポスターが数多く掲示され、また書籍等が陳列されている。席を決め、売られている食品を適宜購入して上映に臨む。冨田委員長の挨拶。
 一本目は「必殺! ブラウン館の怪物たち」。今回の上映作品の中で唯一、筆者が事前に見た事のあるのはこれ。改元前にテレビ放送を見ている。京都の元締が正体を明かす場面や、黒谷屋敷のからくりのオチは記憶にあるが、ブラウン館での最終決戦はロケットマン以外全く忘れており、そして何故か帰りの道中での一輪車は憶えている。こんなにつまらない映画だったかと思ってしまうが、知人の必殺愛好家によれば、玄人筋でも評価は非常に低いのだと言う。
 十五時二十分から「劇場版 家なき子」。テレビドラマも全く見ていない。同年の「ゴジラVSスペースゴジラ」を見に行った時に予告編が掛かっていたような記憶がある。空中ブランコの場面は今となっては懐かしいビデオ合成画質。後刻のトークショーで明かされるが、当初予定では「オイディプスの刃」だったが、映画祭で上映するにはハードだと言う京本の意向で差し替え。
 十七時十分から「修羅之介斬魔剣・妖魔伝説」。これだけ、主演が京本。彼自ら原作小説を見付けて企画を持ち込んだのだと言う。伝奇特撮時代劇。遠藤太津朗が嬉しい。
 場内は熱気に包まれている。十九時から京本のトークショー。舞台に姿を見せると客席から本当に所謂黄色い声があがる。実は早目に会場入りして、密かに二階席で「修羅之介」を見ていたのだと言う。
 対談形式で、今までの芸能活動やこれからの事を語る。世間に認められたのは「必殺」にて。その前の「里見八犬伝」が無ければ「必殺」も無し。往年の「映画があった時代」、時代劇に寄せる熱い思い。「るろうに剣心」は実は京本主演案があったのだと言う。師匠・大川橋蔵の思い出もいろいろ。
 上映作品それぞれの撮影時の噺も出る。今回はこれからの自分を考えるきっかけになったと言う。
 二十時頃にトークショー終了、お開き。
 観客を一度全て外に出して、準備が出来てから係の人の案内で我々はまた中に入る。京本を囲んで関係者の懇親会。席上で、県内紫波町の野村胡堂あらえびす記念館の話題も出る。「銭形平次」の原作者である。
 筆者は持参した「仮面ライダーBLACK RX超全集完全版」の克美さんの写真を京本に示し、知人である事を告げると京本は田口萌の現況を尋ねるので、筆者は劇団の事等を話す。京本は「よろしく伝えておいて下さい」と言って握手。尚、他の出席者達にも「超全集」を見せると「知ってる」と反応が良い。
 諸般の事情で筆者一人、二十一時半前に辞去。舘の前に出待ちの女性達がいる。電車を待つ駅内にも見物客数名がいて、ここでも「超全集」を見せて会話をする。「BLACK」出演は好意的に知られているようである。
 二十一時四十五分発に乗って二十二時四十八分盛岡着。

 「BLACK」友情出演者に会ったのは初めて。本文中にも書いたとおり、京本の映画、時代劇への思いは実に熱い。パナソニックシアター「水戸黄門」終了から四年、時代劇の衰退が決定的となって久しい。しかし嘗ての怪獣映画や変身ヒーローも昭和五十年代の所謂冬の時代を経て、ゴジラもウルトラマンもいる時代がまた現出している。時代劇も滅び去ったわけではない。また隆盛を迎える日が来ると信じる。

(平成二十七年十一月一日)

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