昭和六十三年九月十一日放送　脚本・宮下隼一　監督・小笠原猛
登場怪人・クジラ怪人、コウモリ怪人

粗筋

　太陽の石を欠いたまま王位継承儀式を挙げようとしたシャドームーンに対して創世王曰く、二つの石が揃わぬうちは後継者とは認められぬと。シャドームーンはダロムとコウモリ怪人にＢＬＡＣＫの屍の捜索を命じる。
　クジラ怪人は海底に沈むＢＬＡＣＫの屍を自らの洞窟に収容、一族に伝わる命のエキスで再生治療を施す。やがてＢＬＡＣＫの体がわずかに動き始める。
　国外脱出の為に港に向かっていた杏子と克美は暴徒に襲われて一青年に助けられる。二人はその青年と仲間の子供達の隠れ家に暫く潜伏することとする。
　杏子と克美は遂に国外脱出。杏子は海に花束を投げ入れ、二人は日本に別れを告げる。その花束はやがてクジラ怪人の洞窟へ、クジラ怪人が花束をＢＬＡＣＫに供えるとＢＬＡＣＫの体が輝きだす。

暗黒大公曰く

　ＢＬＡＣＫは登場するものの光太郎は回想場面以外では一切登場しない。
　回想場面がやたら長い今回、回想者はＢＬＡＣＫ、シャドームーン、杏子と克美。そのうち、剣聖はＢＬＡＣＫとシャドームーンの両方の回想場面に登場。やはり両世紀王にとって忘れられぬ相手だったのだ。
　杏子と克美を襲う暴徒。最早この時の日本は秩序も何もあったものではない修羅場と化していたのだろう。天地開闢以来最大の危機。
　国外脱出を図る人々。ラスト近く、船上の場面で「もう安心だ」などという台詞があった。しかし相手はゴルゴム、嘗て五万年前に当時の人類文明を滅亡させたほどの力があるのなら、地球上どこに逃げようと同じではないか。差し当たりシャドームーンが手中に収めたのは日本だが、ゴルゴムは地球そのものを支配しようとしているのだ。この地球上のどこが安全だというのか。現に国際会議の場でも各国はゴルゴムの直接攻撃を恐れていたと言うではないか。その国際会議の場面は「太陽戦隊サンバルカン」＃１でも使われている。
　泣いて国外脱出を嫌がる杏子、それを説得する克美。今までは落ち込む克美を杏子が支えているような場面があったが、この辺りでは立場が逆転している。
　神殿にて、Ｍ４５に乗せての侍女怪人達の舞、実に奇怪。エンディングに「ダンス指導」の表示はある。尤も、侍女怪人達の姿があれだから優美とか妖艶といった感じは期待してはいけないのだろうが。
　ダロムの光線技で地が裂けてビルが倒れる。すごい大技。人工衛星や展望レストランを持ち去ったコウモリ怪人よりすごい。何だか世紀王よりすごそうな。しかしシャドームーンの命令でキングストーンを探すのに陸地でばかり探し回っているコウモリ怪人とダロム、ＢＬＡＣＫの死体が海に流れていったところまでは知らなかったのか。
　青年と子供達の隠れ家での食事の場面でアップになったのは明治屋のコンビーフの缶詰。番組の提供の一社は明治製菓であった。如何に子供でも妙に緊張感の無い連中、何が「仲良く行こうよ」だ、遠足や修学旅行ではないのだぞ。国外脱出の船上でキャピトラ組が悲しみに沈む一方で子供達は笑い声、祖国を見捨てるのがそんなに楽しいか。何らかの事情で親と離れ離れになって、国外のどこかで合流するあてがあって「もうすぐ会える」と希望を持っていると言う事ならまだ理解できる。
　クジラ怪人一族の命のエキス。実に都合のよい代物、まるで「鬼太郎」第三部。あの番組でも主人公の体が溶かされたりすると妖怪エキスとか何とかで再生していたものな。
　それにしてもＢＬＡＣＫ行方不明の間、二大マシンは何をしていたのであろうか。少なくともバトルホッパーについては、特にＢＬＡＣＫから呼ばれずとも危機を感知して自ら出動できるのは＃３９で実証済みである。或いは、本当にＢＬＡＣＫが衰弱してしまうとバトルホッパーでも感知できなくなるのか。

場面	番号または歌曲名	音楽メニュー
前回の粗筋	Ｍ２２	大いなる悪の力
副題	Ｍ４８ｂＴ３
ゴルゴム跋扈	「ＢＬＡＣＫ　ＡＣＴＩＯＮ」
キャピトラ組	Ｍ４９
侍女怪人の舞	Ｍ４５Ｔ２	怪人出撃
キングストーン捜索	Ｍ２	シティ・チェイス
クジラ怪人	ＭＦ	追憶
ＢＬＡＣＫの回想	「レッツファイト・ライダー」
シャドームーンの回想	「ＬＯＮＧ　ＬＯＮＧ　ＡＧＯ，２０ＴＨ　ＣＥＮＴＵＲＹ」
暴徒達	Ｍ１１	胸騒ぎ
助っ人登場	Ｍ６	悪魔の追撃
子供達	Ｍ３０
キャピトラ組の回想	「仮面ライダーＢＬＡＣＫ～星のララバイ～」
ＢＬＡＣＫの回想	「ブラックホール・メッセージ」
コウモリ怪人	Ｖ８冒頭のみ	絶体絶命！
ダロム	Ｍ３４	おぞましき姿
日本脱出	Ｖ２	勇者は行く
復活の兆し？	Ｖ０	ヒーロー登場

＃４８「海に追憶の花束を」

粗筋

暗黒大公曰く

クレジット

オープニング

エンディング