#14「マグロが消えた日」

昭和六十三年一月十日放送 脚本・山崎久 監督・小笠原猛
登場怪人・マンモス怪人(他にアンモナイト怪人、コウモリ怪人三体、ノミ怪人二体、カニ怪人、トカゲ怪人)

粗筋

 前回開発の新必殺技の前に、ゴルゴム最強を謳われたマンモス怪人も敗退。
 黒松教授は、まぐろの脳細胞から抽出したタウリンエキスで怪人を強化させることに成功。更に多くの怪人達を強化する為に、ゴルゴムは市場の鮪を買い占めてしまい、一般には鮪が出回らなくなる。また、マンモス怪人は市場の倉庫を襲い、鮪を強奪。
 キャピトラと付き合いのある寿司屋の主人・熊倉太助は鮪泥棒の噂を聞き、単身その泥棒に戦いを挑むが、泥棒の正体たるマンモス怪人の返り討ちに遭い、ぶちのめされてしまう。
 光太郎は事件を調査するうち、山の洞窟に大量の腐った鮪が捨てられていたという情報を入手、現場に急行。そこにマンモス怪人出現、光太郎は変身してマンモス怪人を斃し、黒松教授の施設を破壊。

暗黒大公曰く

 今回から登場怪人の名前の字幕が入る。人物名、技、武器等の名前が字幕で出るのは目障りで嫌いだ。
 冒頭の大神官達の反省会、ダロム曰く「奴を斃すには最強の怪人を差し向けねば勝てん」。今頃になって何を言っているのか。BLACKは肉体改造は完了した世紀王である、並の怪人とは格が違うのは手術を担当したダロムが一番よく解っているはずだろうに。それでも創世王は戦力は一般怪人だけの状態の大神官達を叱責して、後で遂に剣聖ビルゲニアの復活に至っている。こちらの世紀王休眠中にもう一人の世紀王を斃せとは初めから無理な注文というものだ。
 最強と称えられて出撃したマンモス怪人、人間を相手にしない打倒BLACK専任としてはノミ怪人以来。光太郎をおびき寄せて背後から襲撃しながら変身を許してあっさりBLACKに撃退される。無様な敗戦だがそれで大神官達から「それでも最強怪人か」と言うような叱責は受けておらず、寧ろ大神官達はBLACKの強化に目を見張っている。マンモス怪人はタウリンエキス摂取後に再出撃してそれでまた劣勢に陥り、研究施設でタウリンエキスを再摂取するものの後を追って来たBLACKに斃される始末。自身が負けるだけでなく、黒松教授の研究施設までBLACKに壊されてしまう。今回のBLACKは対戦中に動きを封じられてもすぐはねのけたりして、決して苦戦はしていない。マンモス怪人はBLACKに対していいところ無く完敗である。BLACKがゴルゴムの予想以上に本当に格段に強くなったのか、或いは世紀王に対してはゴルゴム内での評判ほどマンモス怪人は強くないということか。尤も、その後のBLACKが全く無敵になったわけでもなく、相変わらず一般怪人相手に窮地に陥っているから、最強等という看板は当てにならないものである。そしてはっきりしているのは、タウリンエキスは何の役にも立たなかったということだ。その後、タウリンエキスは一切登場しない。効果無しでは施設再建も無意味である。
 キャピトラに入って来てバイクの手袋をつけたまま寿司をつまむ光太郎、おしぼりで指先を拭いてもいない。不衛生な奴め。
 何なんだ、熊倉太助対マンモス怪人の場面の耳障りな流用曲は。少なからぬ流用曲の出典の探索まではまだ手が回っていない。
 今回見るべきもの、と言うより聴くべきものは、海岸で杏子と克美が歌う「LONG LONG AGO,」だけだ。太助の息子・太郎が突然、母の命日だから海に行きたい、例年そうしていたから、と言い出し、杏子、克美と三人で海に行く。結構時間は割かれているのだが、本筋には全く関係ない場面。太郎の叫び「お母ちゃん」は当然としても、キャピトラ組が信彦の事を大声で呼ぶのは唐突すぎる。
 それで二人、別に取り立てて歌がうまい、と言うわけでもないのだけれど、味わいはある。「MOGROG」よりもよほどこちらの方こそ「BGM大全集」に収録して欲しかったものだが、残念ながら叶わず。テレ朝ライダーの時代だったらCDになったかも知れない。
 その海の場面の冒頭で、M28b。LDによる再鑑賞で妙に気に入ってしまった曲。
 熊倉太助、よく子供番組等に登場する典型的江戸っ子。大体、威勢がいいとか、喧嘩早いとか、芸風は決まっている。演ずるは日吉としやす、「月光仮面」の「どくろ仮面篇」の繁少年役と同名だが同一人物か否か未確認。年齢的には合致する。
 言うまでも無く鮪は海の魚だが、その捜索で何故か山間部の野菜畑の中を走り、そして農民達の立ち話をうまく聞き付けて現場に向かう光太郎。ゴルゴム探知能力絶好調。
 いつも失敗ということでは大宮会長や坂田代議士もそうなのだが、教授は処罰場面まで映される。実に徹底した間抜け役。

クレジット

オープニング

仮面ライダーBLACK         吉川 進         堀 長文          (東映) プロデューサー         井口 亮         山田尚良         (毎日放送) 原作 石森章太郎    少年サンデー    てれびくん 連載 コロコロコミック    小学館学習雑誌    テレビランド 脚本 山崎 久 音楽 川村栄二     主題歌 「仮面ライダー  「LONG LONG AGO, ・   BLACK」  20TH CENTURY」   作詩 阿木燿子   作曲 宇崎竜童   編曲 川村栄二   歌 倉田てつを 歌 坂井紀雄     (コロムビアレコードCK‐797) 南 光太郎 仮面ライダーBLACK  倉田てつを 秋月杏子  井上明美 紀田克美  田口あゆみ 日吉としやす 青戸昭憲 茂木和範 伊藤つとむ 吉見純麿 岡元次郎 北村隆幸 内田博之 末永貴久 渡辺 実 (ジャパン・アクション・クラブ) アクション監督  金田 治   (ジャパン・アクション・クラブ)
ナレーター 小林清志 ダロムの声 飯塚昭三 大神官ビシュム  好井ひとみ 大神官ダロム  庄司浩和 大神官バラオム  高橋利道 黒松教授  黒部進 監督  小笠原 猛

エンディング

撮 影 松村文雄 照 明 中川勇雄 美 術 井上 明 イラスト 野口 竜 プロデューサー補 高寺成紀 録 音 太田克己 編 集 菅野順吉 選 曲 茶畑三男 効 果 大泉音映
製作担当 寺崎英世 進行主任 竹内洪太 助監督 蓑輪雅夫 計 測 岡部正治 記 録 富田幸子 製作デスク 岩永恭一郎 装 置 東映美術センター 操 演 国米修市 美 粧 サン・メイク 衣 裳 東京衣裳 装 飾 大晃商会 資料担当 小佐野 聡      (石森プロ) キャラクター製作 レインボー造型企画             (前沢 範) 合 成 チャンネル16 現 像 東映化学 オートバイ協力   Sスズキ自動車
ビデオ合成 東通ECGシステム   峰沢和夫 近藤弘志   前岡良徹 鈴木康夫 (株)特撮研究所 操 演 鈴木 昶     尾上克郎 撮 影 高橋政千 照 明 加藤純弘 美 術 佛田 洋 特撮監督  矢島信男     △東映 製 作     毎日放送

使用音楽一覧 注 「L L A,」インストゥルメンタルでキャピトラ組が歌い始め、一番の途中で坂井紀雄の歌声が重なり、その後で通常の歌入りになる。
場面番号または歌曲名音楽メニュー
ゴルゴム反省会M20世紀王脱走
マンモス怪人出現M34おぞましき姿
副題M48b別サブタイトル
マンモス怪人の気配M7敵の気配
背後の敵M45コーダのみ怪人出撃
光太郎対マンモス怪人M34uptempo迫りくる怪人
BLACK対マンモス怪人V1変身!
タウリンエキス投与V7忌まわしい記憶
冷凍倉庫襲撃V8敵の攻撃
鮪泥棒M37T2
病室、鮪の謎V2勇者は行く
海へ行こうMAキャピトラ
海岸M28b
回想、歌うキャピトラ組「LONG LONG AGO,20TH CENTURY」
インストゥルメンタル、歌入り(注)
鮪を捜索する光太郎M32aT2危険な予感
マンモス怪人出現V7a邪悪の神殿
迫り来るマンモス怪人M45怪人出撃
変身、戦闘開始V0ヒーロー登場
研究施設破壊、戦闘続行V8絶体絶命!
BLACK反撃「ブラックホール・メッセージ」
BLACK勝利M9凱歌
寿司屋「仮面ライダーBLACK〜星のララバイ〜」
インストゥルメンタル
つづく「ブラックホール・メッセージ」コーダ


一覧に戻る

次回

I use "ルビふりマクロ".