「遠足?」
昼休み。唐突に魅音から聞かされた話は、興宮方面への遠足についてだった。
「そ。前にも言ったけど、この学校に通っている雛見沢の子供は大体半分くらいで、あとは興宮の学校に通っている。同じ地域に住んでいるのに同年代の交流がないのは寂しいだろうって、交流会を兼ねた遠足を月に一度くらいの割合で行っているんだよ」
魅音の話によると、主にスポーツとかのレクリエーション目的での交流会で、せっかく遠出するのだからと、遠足も兼ねているのだそうだ。
「圭ちゃんもこの学校に通っている生徒以外の雛見沢の子たちのこと、よく知らないでしょ? この機会に他の子の名前や顔を覚えるといいよ」
「ああ、そうさせてもらうぜ」
その後、詳しい説明が知恵先生からあった。
出発は明日の午前九時で、各自弁当やらおやつを持参とのことだった。交流が主目的とはいえおやつも持参可能な辺りは、一応遠足の形をなしているようだ。
「おやつは三百円か〜〜。何を買おうかな? かな?」
放課後。レナの頭は明日の遠足のおやつのことで一杯のようだった。
俺もレナほどではないとはいえ、明日何を持っていくか迷う。三百円だと、百円の菓子が三つも買える。そう考えると、結構ぜいたくな金額だな。
「圭ちゃん。せっかくだからみんなで買いに行かない?」
いつものように放課後は部活動に移行するかと思えば、今日はみんなでおやつを買いに行こうかと魅音が提案してきた。
「いいな。みんなで行こうぜ!」
思えばみんなで一緒に買い物に行ったことなかったな。たかだか三百円の買い物とはいえ、買い物には変わりない。
他のみんなも魅音の提案には賛成のようで、その日は部活を行わず、みんなで雛見沢の駄菓子屋に行くこととなった。
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